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PBC、5か国の言語に対応した「Microsoft Dynamics NAV 2016」
タイ版とバンコク版を新たに追加し東南アジアでの事業強化
(2016/2/4 06:00)
株式会社パシフィックビジネスコンサルティング(以下、PBC)は3日、マイクロソフトの中堅・中小企業向け主力ERPパッケージの最新版「Microsoft Dynamics NAV 2016」の日本版、中国版、香港版、タイ版、ベトナム版を4月より販売開始すると発表した。
新製品は、Microsoftが2015年10月にリリースした英語版の「Dynamics NAV 2016」に、同社が各5カ国の商習慣に合わせた機能を追加し、各国の言語にローカライズして提供するもの。今回、東南アジアが大きな経済市場として注目されていることを受け、初めてタイ版とベトナム版を追加したという。
PBC 代表取締役社長の小林敏樹氏は、「当社は2001年からマイクロソフトと協業し、Dynamics製品のコンサルティングサポートを通じて、日系企業の海外展開を支援する先駆け企業として成長してきた。そのなかで、近年、東南アジアが大きな経済圏として注目を集めていることから、今回の『Dynamics NAV』最新版ではタイ版とベトナム版を新たに加え、日系企業の東南アジアへの進出を強力にサポートしていく」と、その狙いを述べている。
「東南アジアのなかでも、タイについては、日系企業の進出が最も多く、製造拠点や物流のハブ拠点として位置づけられている。タイには、日系企業が6000社、日本人は10万人を超える市場といわれている。当社では、このことに着目し、昨年9月には、香港、上海に次ぐ3か所目の海外拠点として、バンコクに現地法人を設立。これによって、現地での日系企業へのサポート体制を整えている」と、小林氏は、タイに大きなビジネスチャンスがあると指摘。
「今後、タイを始めとする東南アジアの日系製造企業に向けて、『Dynamics NAV 2016』を訴求していく。特に、自動車関連製造業、製薬・医薬関連企業、組立製造業、食料品加工製造業などを主なターゲットに拡販展開を進めていく」と、東南アジアでのビジネスを強めていく考えを示した。
「Dynamics NAV 2016」の機能特長としては、マイクロソフトのDynamics R&Dチームが掲げるコンセプト「In Office 365, On Azure, With CRM」のもと、ほかのマイクロソフト製品との連携機能を大幅に強化。Azureを用いたクラウド運用や、Dynamics CRMおよびOffice 365との連携シナリオの活用により、分断されてしまうことが多かった業務を密につなぎ、大幅な業務効率の向上を実現する。
マイクロソフト製品との具体的な連携強化ポイントについて、PBC 取締役/事業部長 兼 戦略事業推進室 室長の吉島良平氏は、「まずOffice 365では、SharePoint/OneDrive、Excel、OneNote、Word、Outlook、PowerBIの各製品で連携を強化している。特に、PowerBIとの連携にはDynamics NAV Content Packが提供され、事前に定義されたダッシュボードを活用することで、特別な設定を行うことなく即日データ分析を行うことができる」という。
「Azure連携については、Azure上でPaaSとして提供される『SQL Database』を、Dynamics NAVのDBとして利用できるようになった。機械学習ツール『Azure Machine Learning』との連携は、Dynamics NAVの次期バージョンでサポートされる予定だ。また、Dynamics CRMのURL・ID・パスワードをDynamics NAV上にセットすることで、簡単に連携設定を行うことが可能となった。さらに、Dynamics CRM側に“NAV連携ソリューション”をインストールすれば、Dynamics NAVの売上実績データなどをDynamics CRMから参照することもでき、2つの基幹システムを密に連携して運用することができる」と説明している。
このほかにも、「Dynamics NAV 2016」では、純正ワークフロー機能の搭載により統制機能を拡充、証憑データ管理機能の搭載により電子保存を実現、繰り延べ計算ロジックや為替レートの自動取得機能を実装、スマートフォンでの操作に最適化したPhoneクライアントを実装など、ユーザーの利便性を向上する各種機能を追加している。
日本マイクロソフト株式会社 Dynamicsビジネス統括本部 Dynamicsパートナー営業本部 本部長の林雅音氏は、PBCによる「Dynamics NAV 2016」5か国版のリリースにあたり、「当社では、中堅・中小企業向けERPパッケージの『Dynamics NAV』については、パートナーとの協業を通じた製品供給を行っている。製品に精通したパートナーが、ローカライゼーションから導入、サービスまでを一貫して手がけることで、中堅・中小企業に魅力的なコストとスピードでの提供を実現している。PBCは、『Dynamics NAV』のビジネスで15年の実績があり、最新版についても、その製品とサービスの品質には絶対の信頼を寄せている。『Dynamics NAV 2016』の各国版がリリースされることで、日本の中堅・中小企業の国際的な競争力がさらに強まり、生産性の向上にも寄与できると確信している」と述べている。
なお、PBCでは、今回の発表を機に、「Dynamics NAV 2016」のマーケティング活動を積極的に展開していく方針。2月22日にはセミナーを開催し、「Dynamics NAV 2016」について詳しく説明するほか、Microsoft Dynamics事業のアジア展開や具体的な導入事例も紹介する予定。
「Dynamics NAV 2016」の価格は、日本語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、タイ語、ベトナム語の言語モジュールが各50万円。日本対応機能(Essentials Version)が50万円、日本対応機能(Extended Version)が150万円、中国対応機能(Essentials Version)が50万円、中国対応機能(Extended Version)が150万円、香港対応機能(Essentials Version)が20万円、タイ対応機能(Essentials Version)が100万円、ベトナム対応機能(Essentials Version)が50万円。