日立システムズ、M2M・IoT基盤をクラウド型で提供するサービス

　株式会社日立システムズは25日、M2M環境の導入を支援する「NETFORWARD M2Mサービス」のラインアップを拡充し、IoT・M2M環境を短期間・低コストで提供するクラウド型のプラットフォームサービスを提供すると発表した。

　今回提供するのは、遠隔地に点在する装置からデータを収集・蓄積するとともに、装置の遠隔稼働監視や制御を行えるIoT・M2M環境を短期間・低コストで提供できる、クラウド型のプラットフォームサービス。日立システムズのIaaS「リソースオンデマンドサービス」や運用・監視サービスと、米PTCのIoT・M2M向けソフトウェア「ThingWorx」を組み合わせて、ThingWorxの機能をクラウド型で提供する。

　ThingWorxは、IoT向けアプリケーション開発を容易に行えるIoTシステム開発基盤として多くの実績を持っており、ユーザー企業が国内外に保有する装置からセンサーにより収集したデータを「見える化」し、装置の動作傾向を把握したり、異常を検知したりすることができる。また、収集したデータを参照する管理画面はユーザーが直感的に操作・編集可能で、画面のカスタマイズやデータの集計・加工を容易に行えるという。

　さらに、遠隔監視制御機能を利用すれば、予防保守に加え、異常を検知した際に、遠隔操作より原因究明や復旧も可能。装置の位置情報を取得する機能も備えており、装置の現在位置や移動経路のデータなども収集可能なため、車両や医療機器など、移動する装置の利用データの収集や紛失防止などを目的とした活用でも実績を持つ。

　今回新たに開始するプラットフォームサービスは、これらの機能をサービスとして利用でき、管理対象装置が少ない場合でも初期費用をかけることなく、短期間で利用開始可能な点がメリット。クラウドの利点を生かし、利用開始後にビジネスが拡大して管理対象装置が増加した場合でも、迅速な拡張を行える。

　日立システムズのNETFORWAD M2Mサービスは、これまでIoT・M2M環境向けのネットワーク提供が中心だったが、今回のプラットフォームサービスの拡充によって、多拠点にある装置へのセンサー導入やネットワーク構築、装置の制御や監視・保守、データの収集・管理、さらにはセキュリティ対策までをワンストップで支援可能になった。

　今後同社では、IoT・M2Mを活用したビジネスの革新をめざす企業に向けて「NETFORWAD M2Mサービス」を提供するほか、コンタクトセンターや全国約300カ所のサービス拠点を活用した機器の保守サービス、制御システム向けのセキュリティサービス、BEMSなどのサービスを組み合わせてするなど、トータルソリューションを提供する考え。これによって、2018年度までに累計300億円の売上を目指すとしている。