【Interop 2011】NTT Com、クラウド時代の新VPN「Universal One」やクラウドサービスなどを展示
NTTコミュニケーションズのブース |
6月8日から幕張メッセで、ネットワーク技術に関するイベント「Interop Tokyo 2011」が開かれている。
NTTコミュニケーションズのブースでは、各種VPNサービスを統合して1つのネットワークに接続する「Arcstar Universal One」と、新データセンターを含む企業向けホスティングサービス「BizCITY」を中心に、リモートアクセスサービスなども合わせたクラウド時代の各種サービスを展示している。
■各種VPNを統合できる「Arcstar Universal One」
Arcstar Universal Oneは、e-VLAN(レイヤ2)やIP-VPN(レイヤ3)などに分かれていた同社のVPNサービスを統合し、専用線も含め、1つの企業で1つのネットワークとして組み合わせて使えるサービス。5月からサービスを開始している。
1つのネットワークに対し、本社や支社、営業所などの拠点ごとに回線の種類や品質を選べ、後から変更もできる。通常の回線にあわせてワイヤレスなどのバックアップ回線もセットで提供され、接続を冗長化する。同じネットワークにBizCITYも接続されるため、VPN網からサーバーへの接続も契約に含まれ、保守などのサービスもワンストップで提供される。9月以降、海外拠点との接続も提供予定だという。
Universal Oneのコーナー | Universal Oneの説明図 |
■ハイブリッドクラウドソリューション「BizCITY」
BizCITYは企業向けのホスティングソリューションで、ホスティングサービスとコロケーションサービス、Windows Azureなどのパブリックラウドをシームレスに利用し管理できるハイブリッドクラウド環境が特徴だという。会場では、「Bizホスティング エンタープライズ」「Bizホスティング グローバル」「Bizホスティング ベーシック」の3つのサービスと、ファイルサーバーをアウトソースする「Bizストレージ」を展示していた。
また、これらの基盤として4月から稼働した新データセンター「東京第5データセンター」(東京都文京区)を模型などを使って紹介している。16階建てだが4種類の免震装置(積層ゴム支承2種類、特殊ダンパー、弾性すべり支承)を併用して従来のデータセンターより揺れを抑えるほか、通信回線も3系統引き込み、水没も想定して機器を3階以上に設置するようになっている。そのほか、HVDC直流電源対応やエアフローマネージメント、太陽光発電による館内照明など、電力削減にも取り組んでいるという。
BizCITYのハイブリッドクラウドソリューションの説明 | ホスティングサービスとコロケーションサービス、パブリックラウドをシームレスに管理できる |
右が免震構造のないデータセンターの、左が東京第5データセンターの免震構造の模型。電動で台を揺らして、建物部分の揺れ方をデモしている |
■事業継続で注目が高まるリモートアクセス
サーバーやネットワークのサービスと合わせて、リモートアクセスのサービスも3種類展示されている。
「Bizリモートアクセス VPNタイプ」は、FOMAのデータ通信端末からインターネットを経由せずにBizCITYなどの社内サーバーにアスセスするサービス。従来のUSB端末タイプに加え、6月1日から提供開始したWi-Fiルータータイプも展示している。
「Bizリモートアクセス モバイルコネクト」は、スマートフォンや従来型携帯、PCから社内のアプリケーションを利用するサービス。スマートフォンの個体認証に対応し、ワンタイムパスワードによる2要素認証をサポートしている。Notesなど、特定のアプリを利用するためのもの。
「Bizデスクトップ」は、ホスティングされたデスクトップ環境(Windows Server)をPCやタブレット端末からネットワーク越しに利用できるDaaSサービス。インターネット経由の場合はUSBキーによる認証で利用するほか、Universal One経由やBizリモートアクセス経由でも利用できる。接続形式はリモートデスクトップのプロトコル(RDP)で、タブレット端末からはRDPクライアントアプリケーションの「PocketCloud」で利用する。
「Bizリモートアクセス VPNタイプ」に新しく加わったWi-Fiルータータイプ | 「Bizリモートアクセス モバイルコネクト」で、社内の特定アプリケーションを利用 |
「Bizデスクトップ」でリモートのデスクトップ環境をiPad(左)やPC(右)から利用する |
■企業向けのTwitter/Facebookクライアント「CoTweet」なども
そのほか、NTTコミュニケーションズのブースでは、企業向けのTwitter/Facebookクライアント「CoTweet」や、PBXをクラウドで提供する「Arcstarユニファイドコミュニケーションサービス」なども展示されている。
米ExactTarget社が開発した「CoTweet」日本語版。TwitterやFacebookの企業アカウントを複数人で運用するために作られた。ツイートごとに内部的に担当者アサイン情報を付けたり(左)、特定ユーザーとの過去の対応履歴を調べたり、ツイートにタグを付けてその統計情報を表示したり(右)できる。Twitter社自身も利用しているという |