仮想化道場
新しい仮想化「Docker」を搭載したRed Hat Enterprise Linux 7
(2014/9/5 06:00)
Windowsとの相互運用性、ADをサポート
今回のRHEL 7では、企業に入っているWindows Serverとの相互運用性が重視された。
大きな機能追加としては、RHEL 7がActive Directory(AD)を直接サポートしたことだ。これにより、AD配下のサーバーとしてRHEL 7を認識し、ADのシングルサインオン(SSO)機能を利用することができる。
また、ほかのID管理システムがADと連携している場合は、そのID管理システムを経由してADのSSO機能をサポートする。
今までRHELとWindowsの間に、ある程度の相互運用性は存在したが、それぞれが別の管理システムで管理されていたため、ユーザーやコンピュータの一元管理はできなかった。しかしRHEL 7ではADをサポートしたことで、RHEL 7上のアプリケーションでのユーザー管理なども、ADを利用できるようになった。これにより、システム全体でのユーザーの一元管理などが、これまでよりも簡単にできるようになるだろう。
RHELのアプリケーションで、一足飛びにADによる管理ができるようになるとは思えないが、インフラとなるRHELがADをサポートしたことで、さまざまなOSや環境を持っている企業システムの管理が行いやすくなる。そういった意味では、LinuxとWindowsは、競合関係というよりも相互補完関係に変化していくのかもしれない。
例えば、UNIX/LinuxをファイルサーバーにするSambaでも、バージョン4からADドメインコントローラ機能などがサポートされている。このように、UNIX/Linux環境においても、現実の企業環境を考えて、Windowsとの相互運用性を高める動きが進んできた。
これはMicrosoft側が、オープンソースの開発コミュニティに対してさまざまなテクニカルドキュメントを提供したり、互換性テストの協力を行ったりするなど、オープンソース陣営との付き合い方を大きく変えてきているということもあるのだろう。さらにこの流れは、MicrosoftのCEOがサティア・ナデラ氏に変わったことで、より加速していくのではないか。