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OSアップデートの新段階? Microsoftのサポートポリシー変更

PC市場を活性化する?

 Microsoftの目的はもちろん、Windows 10の採用を促すことにある。だがPund-ITのプリンシパルアナリスト、Charles King氏は「奇妙だ」とChannelnomicsに述べている。

 Myerson氏は1月15日、SkylakeとWindows 10の組み合わせによって、Windows 7搭載PCと比較してグラフィックは30倍、バッテリ持続時間は3倍であり、比類なきセキュリティレベルを提供する、と新しいプロセッサと新しいOSの相性の良さとメリットを強調している。

 これについてKing氏は「MicrosoftはまだIntelから公式に発表されていない(Intelの発表は4日後の1月19日)のに、Skylakeプロセッサのシリコンレベルの特徴や機能をそれとなく紹介している」と指摘する。「IntelのSkylakeの特徴や機能が企業にとって重要だと言いたいのだろう」というのがKing氏の読みだ。

 一方、PC Worldは、PC市場の状況に言及している。IDCの調査による2015年第3四半期(7-9月期)の世界のPC出荷台数は、前年同期比10.8%減となった。通貨不安のほか、Windows 10が新規購入に至っていないなどを要因としている。

 Windows 10はバイオメトリクス認証機能を持つが、Skylakeではバイオメトリクス認証データをチップレイヤーでファームウェアに保存することなどが可能になるため、Intelの幹部は「最新のチップはWindows 10への移行を助けるだろう」とPC Worldに語っている。低調のPC出荷を後押しする効果も期待できそうだ。

 Microsoftによると、エンタープライズ顧客の76%がWindows 10のパイロット導入段階にあり、企業や教育機関が2200万台のでWindows 10デバイスを採用。「企業での採用は、これまでで最も速く進んでいる」(Myerson氏)という。

 といっても、実際のところ、移行の速度は不十分なのだろうか。PCから、クラウドとデバイスへの変化の中で、強引な手法での移行もやむなしなのだろうか――。

岡田陽子=Infostand