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仮想環境でKubernetesサポート VMware、Pivotal、Googleの提携

3社のメリット

 狙いはVMwareの既存顧客だ。vSphereを導入している大企業はPKSによって、Kubernetesを使ったソフトウェア開発が容易にできるという。Forresterのアナリストは今回の提携について、「クラウドネイティブの開発者と、VMwareの製品とスキルに投資している企業の両方にとって魅力的」とBusiness Insiderに語っている。

 Business Insiderによると、3社のメリットは次のようになる。Googleは、パブリッククラウドでの競合におけるKuberntes活用を強化し、「クラウドとデータセンターの両方でKubernetes技術を広げることができるだろう」(Business Insider)という。Pivotalは、対Dockerでシェアを取ることにつながる。VMwareには、PaaSの「OpenShift」を持つ長年のライバルRed Hatに対抗する手段となる。OpenShiftはDockerとKubernetesをコアとしている。

 一方で、VMwareはGoogleと競合するAWSとも提携し、前日に「VMware Cloud on AWS」を発表している。これはMicrosoftのハイブリッドクラウドソリューション「Azure Stack」への対抗と位置付けられている。またVMwareはマルチクラウド戦略の下、IBMとも緊密な関係を築いており、各社の提携と競合の構図は複雑だ。

 そんなVMwareの戦略は“八方美人”とも見える。これについてSiliconANGLEは「VMwareは提携で支援を受けながら、あらゆるクラウド上のあらゆるワークロードにとっての共通のプラットフォームになろうとしている」と分析する。VMwareのCOO(最高執行責任者)Sanjay Poonen氏は「顧客が向かうところに行く」とBusiness Insiderに語っている。