クラウド特捜部

プレーヤーがそろい表舞台に立つOpenStack

Havanaの機能は?

 最新版のHavanaでは、CeilometerとHeatという2つのプロジェクトの機能が追加された。

 Ceilometerは、Metering/Monitoringを行うもので、OpenStackの各種コンポーネントが消費しているリソース情報を計測する機能だ。プロジェクト単位でリソースの消費量を計測できるため、ダッシュボードでプロジェクト単位の表示を行ったり、課金に利用したりすることができる。

 Heatは、OpenStack上でオーケストレーションサービスを提供する。例えば、Ceilometerではリソースの諸費を計測するだけの機能しかないが、Heatと組み合わせることで、設定したしきい値を超えた場合に仮想マシンを自動的にスケールし、拡張する、といったことができるようになる。単に仮想マシン1つだけでなく、複数の仮想マシン群を組み合わせたプロジェクト単位での拡張も可能だ。

 また設定したテンプレートから、コンピュート、ネットワーク、ストレージなどの仮想マシン群を自動的に構築して、ネットワークなどの設定も行うことができる。

 これ以外では、ストレージのCinder Volumeの暗号化、GlusterFSのネイティブ対応、Domain/Role/Group管理やユーザーパスワードの変更など、管理用のWebUIの利便性の向上、スケーラビリティの向上、パフォーマンスのアップ、各コンポーネントの安定性を高める作業などが行われている。

Havanaの機能ブロック。Havanaでは、管理関係のCeilometerやHeatが追加された(日本OpenStackユーザー会の資料より、以下同じ)
Ceilometerのブロック図。Ceilometerは、OpenStackの各機能ブロックから、リソース情報をとりまとめる
Ceilometerを使えば、従量課金のためのベースを収集できる
負荷監視もCeilometerを使って実行可能
Heatはオーケストレーション機能を実現するため、一度の操作で複数の機能ブロックにわたる作業が行える
CeilometerとHeatを組み合わせれば、特定の仮想マシンの負荷が高まった際のオートスケールを行える

(山本 雅史)