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ヤマハにまなぶ、スピーカーフォンをちょっとうまく使う5つの“コツ”

 Web会議用のスピーカーフォンとして圧倒的なシェアを誇るヤマハのYVCシリーズ。見た目はマイクとスピーカーが一緒になったシンプルな機材にも見えるのだが、中には音声処理のための最先端機能が数多く搭載されているため、クリアな音でまるで目の前にいるかのように遠隔地にいる人たちとの会話が可能になっている。

 ただ使い方自体は簡単なのだが、いい音声で快適に利用するためには知っておきたいコツがいくつか存在するのも事実。ヤマハでは、そうしたコツをまとめたビデオを制作している。知らないと陥りそうなミスもありそうだ。そこで、そのコツとはどんなものなのかをチェックしてみよう。

【ヤマハ スピーカーフォン/マイク&スピーカー関連記事】

・ヤマハの音声処理技術はホントに効果的? スピーカーフォン「YVC-300」を使ってみた
  http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/special/720144.html
・ヤマハ、聴感上2倍の大音量を実現、さらなる高音質化を実現したスピーカーフォン「YVC-300」
  http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/717789.html
・【特別企画】音に親しいヤマハだからこそ――、聞き取りやすい遠隔コミュニケーションを実現する「YVC-1000」
  http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/special/715365.html
・【イベント】「体感すれば良さがわかる」、ヤマハの次世代型マイクスピーカーシステム「YVC-1000」
  http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/706879.html
・ヤマハ、高音質化した遠隔会議向けマイクスピーカーシステム
  http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/644999.html
・ヤマハ、6名程度に適したマイクスピーカーシステム、Web会議や遠隔講義に最適
  http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/697081.html

会議だけでない利用シーン

 Web会議に最適なスピーカーフォンとして大ヒットしているヤマハのYVCシリーズ。会議用としてYVCシリーズを利用している企業が数多くある一方、遠隔地との授業にも利用可能なため学校などでも活用する例も出てきている。また、金融機関や医療機関でも遠隔地とのコミュニケーションのために導入されるケースが増えているようだ。

 比較的大きな会議室での利用を想定したYVC-1000と6人程度の小さめな会議室での利用を想定したYVC-300の大きく2ラインアップがあるが、いずれもPCとUSB接続し、国内外を問わず、多くのWeb会議で利用できるのが特長。最大のポイントとなるのはデジタル信号処理により、エコーやノイズ、音切れのない、クリアな音でスムーズなコミュニケーションが図れることだ。

YVC-1000
YVC-300

 またYVC-1000の場合は最大5つまでのマイクを連結することが可能で、かなり大きな会場であっても、遠隔地にいる相手へ、まるで目の前にいるような音声を届けられるようになっている。またマイク接続機能も備えているため、手持ちマイクを活用できるのも一つの特長だ。

 さらにYVC-1000、YVC-300ともにBluetoothを使ってスマートフォンとの接続を可能にしている。つまり、そのBluetooth接続したスマートフォンに電話をかけることで、この電話をかけてきた人も加えた形で遠隔地とのやりとりができ、結果として3地点通信も実現できる、まさに画期的な機能といえるだろう。

YVC-1000用の外部マイクユニット。最大で5つまで接続できる
スマートフォンとBluetooth接続し、音声会議を行える

 しかも、ノイズが少なく、自分の声がエコーバックしてしまうようなこともないため、扱いやすく人気があるのだ。とはいえ、使い方によっては、YVCシリーズの力を十分に発揮できなくなるケースもあるようで、その点について見ていくことにしよう。

利用中は音声端末に触らない

 実際に会議などで利用していてよくありがちなのは、発言者の近くにマイクを持っていったほうが、よく声をとらえるだろうと、会議中に機器を動かしてしまうケース。すべてをデジタル信号処理している機器にとっては、これが問題となってしまうのだ。

 その仕組みの詳細については以前の記事「音に親しいヤマハだからこそ――、聞き取りやすい遠隔コミュニケーションを実現するYVC-1000 開発者に“コダワリ”を聞く」に書いているので、そちらを参照いただきたいのだが、YVCシリーズはそのマイクから入ってくる音の特性から人がどこにいるのか、壁がどこにあるのか、部屋の大きさがどのくらいなのか……という情報をとらえ、それに合わせたデジタル信号処理を行っている。

 しかし、マイクの位置を動かしてしまうと、その蓄積してきたデータがすべて無駄になってしまい、結果としてエコーバックが発生したり、音がクリアに伝わらなくなってしまう。話者が1、2メートル離れていたところでも、まったく問題なく音はとらえることができるので、利用中は持ち上げない、動かさないのが鉄則。

 もちろん、マイク部分をなでたり、爪でカリカリといじったりすると、大きなノイズとなってしまうので、これも注意が必要だ。もしどうしても動かさなくてはならず、触れる必要がある場合はミュートボタンを押して音を切った状態にしてから動かすようにしよう。

マイクから入ってくる音を分析し最適な処理を行っているので、マイクの位置は動かさないようにしよう

機器の冷却ファンなどノイズ源からはなるべく離す

 Web会議の場合、特にプロジェクターとセットとして使うことも多いと思うが、プロジェクターのファンは結構大きなノイズを発生させている。確かにYVCシリーズはノイズをキレイに除去するノイズリダクション機能があるが、やはりノイズ源からはできるだけ離して設置したほうがいいのも事実。マイクをファンのすぐ横に置くと、どうしても音質劣化は避けられないが30cm程度でも離すことで、音質は格段に向上する。

 一方、気が付きにくいノイズとしては、マイクにエアコンからの送風が直接当たることで生じるものがある。できればマイクの上に手をかざして、風が直接当たっていないかを確認しておくといいだろう。

ノイズを拾ってしまうので、プロジェクターやパソコンなど、ファンがある機器のすぐ近くには置かないこと

周囲に壁を作らない

 前述のとおり、YVCシリーズでは、マイクから入ってくる音をリアルタイムに分析しながら、どこに壁があるのか、どのように声が反射しているのかなどを常に検知している。それによって、より良い音で通話できるようにしているのだ。さて、一方で問題になりがちなのがノートパソコンだ。

 会議中、ノートパソコンを使う人は多いと思うが、そのノートパソコンのディスプレイを起こした際、このディスプレイがマイクを遮ってしまい、壁を作ってしまうことはありがちだ。こうすると、人の声が直接マイクに届かず反射音などを拾う形になってしまうため、音質がどうしても劣化しがちなのだ。もちろん、これで通話ができなくなるわけではないが、より良い音質で利用するためにも、マイクの周囲はなるべく空けておくようにしたい。

マイクがノートパソコンのディスプレイの向こう側にあると、壁になってしまう

マイクの位置に注意する

 プロジェクターを見ながら遠隔地と会議を行うケースも多いと思うが、この場合に注意したいのがマイクの位置だ。例えばプロジェクターで映し出される相手の映像が右側にある場合、右を向いて話をすることが多くなると思うが、もしマイクが左側にあると発する声はマイクに直接届かず、壁などから反射された音をとらえる形になってしまう。こうすると、明瞭度が落ち、まるで隣の部屋でしゃべっているかのようなこもった音質になってしまうのだ。声はできるかぎり直接マイクへ届けるのがいいので、事前にマイク位置はしっかりチェックしておくといいだろう。

マイクを置く位置によっては話す声などが直接マイクに届かず、音質が落ちてしまう。配置を工夫しよう

PCのサウンド設定には要注意

 YVCシリーズは多くのWeb会議で簡単に利用することができるが、Windowsの場合でもMacの場合でも、事前に設定しておくことがある。それがマイクとスピーカーの設定だ。マイクやスピーカーは、PC標準搭載のサウンド機能やWebカメラ内蔵のものに設定されている場合があるが、YVCシリーズをUSB接続した場合は、YVCシリーズが有効になるように設定しないと使うことができない。

 この際、重要なのはマイクとスピーカーそれぞれがYVCシリーズに設定されていることであり、スピーカーだけしか設定しないと、音は出るけれど、相手へ届く声の音質が劣悪なものとなってしまうケースがある。それはマイクがYVCシリーズのものではなく、PC内蔵のものやWebカメラ内蔵のものが有効になってしまうためであり、これではYVCシリーズとして正しく機能しないのだ。

 この点は利用する前に必ず確認しておくといいだろう。

マイクとスピーカーそれぞれがYVCシリーズに設定されていることを、きちんと確認しよう

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 以上のポイントをまとめたのが以下のビデオであり、これらを守っておけば、非常に快適な遠隔コミュニケーションが可能になるのだ。ぜひ、参考にしてみてはいかがだろうか?

快適な遠隔コミュニケーションをするための5つのコツ
ビデオの撮影現場。クロマキー合成用の緑の背景が見える
さほど長い映像ではないが、内容を確認しつつ、撮影は長時間にわたって行われた