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弥生、領収書などから仕訳データを自動生成する「スキャンデータ取込」機能をリリース
クラウドサービス「YAYOI SMART CONNECT」の新機能。対象者にはScanSnapを無償レンタル
(2016/1/19 18:21)
弥生株式会社は19日、同社の弥生会計シリーズなどと連携して各種取引データの自動取り込みや仕訳けを行うクラウドサービス「YAYOI SMART CONNECT」において、レシート・領収書などの紙証憑の取り込みに対応する新機能「スキャンデータ取込」を1月29日より提供すると発表した。
「スキャンデータ取込」は、レシート・領収書をスキャナーで読み取った後、OCR処理でテキストデータに変換し、仕訳データを自動生成するもの。「スキャナ保存制度」の要件に必要なタイムスタンプの付与や証憑の検索、第三者承認などの機能も搭載することにより、これまで証憑の処理にかかっていた処理時間を約8割削減するとしている。
またこれに併せ、同社ではペーパーレス経理を推進するため、スキャナー保存制度の申請を円滑に行うための各種テンプレートをダウンロード提供するほか、セイコーソリューションズとの連携によりタイムスタンプを無償提供。さらにPFUおよびオリックス・レンテックとの協業により、スキャナーの無償レンタルキャンペーンも開始する。対象となるのは、「あんしん保守サポート」のトータルプランに加入している弥生ユーザーのほか、2015年1月以降に起業したユーザー、2015年10月以降に弥生PAP会員の紹介制度を利用したユーザーなどで、1月19日から12月31日まで申し込みを受け付ける。
弥生なら0円でスキャナー保存制度対応ができる
19日に都内で発表された記者発表会では、同社代表取締役社長 岡本浩一郎氏が登壇。小規模企業におけるレシート・領収書の処理枚数は年間で310枚、処理時間は年間で24時間にも及んでおり、今回「YAYOI SMART CONNECT」に外部取引データの取り込み機能に加えて新機能「スキャンデータ取込」を追加することで、スモールビジネスの業務を大きく改善できるとした。
「スキャンデータ取込」の特徴的な機能としては、レシート・領収書に記載された電話番号から店舗情報を検索し、摘要欄に反映できる機能が挙げられる。一般的にレシート・領収書では店名がロゴマークになっており、そのままOCR処理を行ってもテキストデータに正確に変換することは難しい。そこで電話番号をもとに店舗情報を検索し、そこから正確な店名を取り込むことにより、精度の高い仕訳データを生成できるとしている。
同氏はさらに、これまで原本の保存が必須とされていたスキャナー保存制度の要件が2016年1月に緩和され、電子署名や関連帳簿の電子保存が不要となったほか、従来は3万円未満だった金額の制限がなくなったことで、スモールビジネスにも使いやすくなったと指摘。2月にはスキャナ保存制度の適用に必要な「タイムスタンプ」「電子化文書検索」「第三者承認」にも対応することで、スキャナー保存制度への対応を果たすとした。
その上で、残る障壁は「手間」と「費用」であるとし、スキャナー保存制度の申請書や社内規定などのテンプレートを無料ダウンロード提供することで、申請・運用の手間を軽減するほか、対象者にPFU社のスキャナー「ScanSnap」を5年間無償レンタル。タイムスタンプも無償で提供することにより、初期費用・運用費用もなくせるとし、弥生なら0円でスキャナー保存制度対応ができるとアピールした。
記者発表会ではさらに、パートナー企業として無償レンタルキャンペーンにスキャナーを提供する株式会社PFUの執行役員専務 イメージビジネスグループ長 宮本研一氏と、タイムスタンプを提供するセイコーソリューションズ株式会社の取締役・専務執行役員 長谷川達海氏が登壇したほか、協賛各社の顔ぶれも発表され、ペーパーレス化推進への意気込みが示された。