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富士通、部屋全体をUIにする技術を開発、プロジェクターやスマホが自動的に連携
(2015/7/27 13:22)
株式会社富士通研究所、富士通デザイン株式会社、株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(以下、富士通SSL)の3社は27日、富士通デザインが開設している「HAB-YU platform」において、富士通研究所が開発した部屋全体をデジタル化するUI技術と、富士通SSLが開発した共創支援アプリケーションの実証実験を8月から開始すると発表した。
富士通研究所では、部屋全体をデジタル化するUI技術として、持ち込んだスマート端末とその場に設置された表示機器が自動的に連携し、UIをその場全体に拡張させる技術を開発。プロジェクターとカメラを組み合わせた装置を複数設置し、壁や机などの広い空間を1つのウィンドウシステムとして機能させることで、複数の人の端末の画面を同じ空間に展開できる。
簡単なレイアウト情報をプレイスサービス基盤のサーバーに設定するだけで、その場にある複数の表示機器を連携させ、大きな画面として利用できる。連続した空間として利用できるだけでなく、持ち込んだスマート端末の画面を簡単に表示して操作することも可能で、壁や机など空間へのポインティング情報を各デバイスへの入力情報に変換する技術も開発した。
カメラなどで構成された環境センサーとスマート端末内のセンサーの連携により、ユーザーの位置と持っているスマート端末のIDを同時に検出できるセンシング技術を開発。個人とスマート端末を紐付けることで、特定のスマート端末の画像を共有・表示することなどが可能になる。
大画面と人の動きが連動した直感的なUI技術も開発。決められた簡単なジェスチャーで、目の前の壁に自分の使用するスマート端末の画面を転送したり、アプリケーションを呼び出すことができ、壁に投影された画面上に手書きでメモする操作や、手書き文字を選択して文字認識する操作、認識結果の文字を付箋サイズで表示する操作などが可能となる。
これらの技術やアプリケーションを、「HAB-YU platform」で開催されるワークショップに導入。デジタルヒントカードの配布と個人スペースへの展開、個人ワーク支援(デジタル付箋作成と共有スペースへの転送)、グループワーク支援(デジタル付箋の整理と共有)、ワークショップでの検討結果の持ち帰り、ワークショップでの検討結果の保存と再開といったポイントで、すべてがデジタル化された環境でアイデア発想のワークショップを行い、発想支援の有効性を検証する。期間は2015年8月~2016年3月(予定)。
富士通研究所は今後、実証実験において抽出した課題から技術開発をさらに進め、富士通SSLと共同で、共創支援&学習支援ツール「WebコアInnovation Suite」への適用を進めていく。