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日本オラクル、「Cloud Platform」に6つのクラウドサービスを追加

 日本オラクル株式会社は23日、パブリッククラウドサービス「Oracle Cloud Platform」において、新しく追加する6つのサービスを発表した。6月に米Oracleが発表した新サービスの、日本での発表となる。

 Oracle Cloud Platformは、オンプレミスと同様の環境をクラウドで利用できるPaaSを中心とするサービス。データベース製品のクラウド版であるOracle Database Cloud Serviceや、アプリケーション実行基盤のOracle Java Cloud Serviceをはじめ、さまざまなサービスをラインアップしている。

 今回の新サービスは、PaaSの「Oracle Database Cloud - Exadata Service」「Oracle Big Data Cloud Service」「Oracle Mobile Cloud Service」「Oracle Integration Cloud Service」「Oracle Process Cloud Service」と、IaaSの「Oracle Archive Storage Cloud Service」。

 「Oracle Database Cloud - Exadata Service」は、データベースマシン「Oracle Exadata」の性能をクラウドで提供するもの。オンプレミスのOracle Exadataと同じ機能、パフォーマンス、可用性をクラウド上で利用できる。

 「Oracle Big Data Cloud Service」は、HadoopおよびNoSQLデータベース上のビッグデータのさまざまなワークロードを実行するためのプラットフォームを提供する。

 「Oracle Mobile Cloud Service」は、モバイルアプリケーションのバックエンドシステムのためのMobile Backend as a Service(MBaaS)。

 「Oracle Integration Cloud Service」は、クラウド環境およびオンプレミス環境のOracle、あるいは他社製アプリケーション間の連係を行えるようにするサービス。「Oracle Process Cloud」は、プロセス管理アプリケーションの自動化をIT部門の手を借りずに実現する。

 「Oracle Archive Storage Cloud Service」は、長期保存のためのストレージを提供するサービス。「Amazonの10分の1の価格」(日本オラクル 三澤智光氏)という。

Oracle Cloud Platformに追加された新サービス
Oracleのクラウドサービス。緑が既存のサービス、青が新サービス、それ以外が今後の予定
新サービスを組み合わせる例のデモ。銀行の顧客がモバイルから送金しようとして残高エラーになって銀行から連絡するところや、過去履歴から推奨商品を挙げてアップセルを実施するところ

 同日開かれた記者発表会では、オラクルのクラウド戦略が語られた。

 日本オラクル株式会社 代表執行役社長兼CEOの杉原博茂氏は、「クラウドの敷居をぐっと下げる」として、2016年度の事業戦略として掲げている「POCO(The Power of Cloud By Oracle)」というキーワードをあらためて紹介。「オンプレミスで90ステップ、5~6週間かかっていた導入が、Oracle Public Cloudでは5ステップ、30分で済む」と説明した。

 日本オラクル株式会社 副社長執行役員 クラウド・テクノロジー事業統括の三澤智光氏は、「キャズム」著者のジェフリー・ムーア氏が提唱した、アプリケーションの「SoR」(System of Record、従来型システム)と「SoE」(System of Engagement、高い拡張性を必要とするシステム)という分類を引用。「いままでのクラウドは主にSoE系のアプリケーションを支えるもので、SoR系を軽視している傾向があった」として、「Oracle Cloud Platformは、SoRとSoEの両方を扱え、IaaSからSaaSまでフルスタックで提供する」と主張した。

 また、クラウドとオンプレミスで同じアーキテクチャの同じ製品を、同じ知識とノウハウで使えると説明。「オンプレミスからクラウドに、クラウドからオンプレミスに、シームレスに移行できる」と語った。

 日本オラクル株式会社 クラウド・テクノロジー事業統括 PaaS事業推進室長の竹爪慎治氏は、今年度からPaaS事業推進室を設立したことを説明した。ソリューションセールス、カスタマーサービス、エバンジェリスト、ビジネスの4つの部門からなり、同社営業部門がクラウドを売るための施策を、SaaS事業などといっしょに行う。

 具体的な取り組みとしては、初期導入のための「PaaSスターターパック」、定額の学習サービス「クラウドラーニングプログラム」、「クラウドマーケットプレイス」のPaaSへの拡大、ISV向けの「フリートライアル」、「クラウドパートナー向け情報発信」、パートナー向けにスキル習得や再販などの情報をパッケージ化した「パートナースターターパッケージ」、「クラウドパートナー拡大」のための説明会開催、Oracle Cloud Platformによるサービスやアプリケーションの「POCOコンテスト」が説明された。

日本オラクル株式会社 代表執行役社長兼CEO 杉原博茂氏
日本オラクル株式会社 副社長執行役員 クラウド・テクノロジー事業統括 三澤智光氏
SoE/SoRとクラウドサービスのポジショニング
Oracle Cloud Platformの訴求ポイント
オンプレミスとクラウドで統一されたプラットフォーム
日本オラクル株式会社 クラウド・テクノロジー事業統括 PaaS事業推進室長 竹爪慎治氏
新設されたPaaS事業推進室の取り組み

高橋 正和