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鹿島グループ29社で「Office 365」導入、誤送信対策に「WISE Alert」も

 ソフトバンク・テクノロジー株式会社(SBT)は14日、鹿島建設株式会社(以下、鹿島)と国内グループ会社29社に、「Office 365」と「ADFS on Cloud」を導入したと発表した。鹿島はグループ各社が個別に運用していたメールシステムも含めてクラウド化し、Office 365をグループ共通ITインフラサービスとして統合する。併せて、株式会社エアーのメール誤送信対策ソフト「WISE Alert」を導入し、情報漏えいに備えた。

グループ29社の共通基盤に「Office 365」

 グローバルに事業を展開する同社は、国内外に多くのグループ会社を有しているが、国内グループ会社の中でメールシステムを個別に導入・運用している会社もあったことから、「コミュニケーションの向上」「システムのトータルコスト圧縮」「運用負荷軽減」をめざし、メールシステムの統合を検討した。

 採用したのは、SBTが提案した、Office 365(Exchange Online)とADFS on Cloudによってクラウド上に統合されたメール環境。2万ユーザーという規模に対応でき、柔軟な拡張性を持つ点を評価し、Office 365の採用を決めた。

 また、SBTオリジナルのサービスであるADFS on Cloudにより、認証基盤やID管理システムといった「ADFS(Active Directory Federation Service:Office 365とオンプレミスのADをつなぐサービス)」が実現する機能を完全にクラウドのみで完結できることも決め手になったという。

 鹿島は今後、グループ29社・2万ユーザーのコミュニケーション基盤として、Office 365の活用の幅を広げ、業務効率化・生産性向上を図る予定。

誤送信対策にエアーの「WISE Alert」

 併せて、メール誤送信対策としてWISE Alertが採用されたと、提供元のエアーが発表した。鹿島では社内教育とIT環境の整備の2本柱でメール誤送信対策を進めていたが、それでも軽微な誤送信が発生していたため、より万全な対策の導入に踏み切った。

 誤送信対策にあたっては「業務効率を落とさない」ことを大前提に、「仕組みがシンプルであること」「導入および運用コスト」「実績」の3点を評価し、WISE Alertを採用。

 「仕組みがシンプルであること」については、機能面でOutlookのメールヒントよりも警告が目立ち、メール送信までの手順が複雑でないこと、システム構成面で現環境に変更を加えることなく、2万ユーザーに対して段階的導入が可能であることを考慮した。

 全社導入から2カ月が経過した現時点で、それまで一定頻度で発生していたメール誤送信は起こっていないという。4月には鹿島からの要望を受け、機能改善した新版もリリースされ、更新が進んでいる。エアーは今後も現場のニーズに合わせた製品の改良を行うとしている。

川島 弘之