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IBM、XIVストレージの機能をソフト化した「Spectrum Accelerate」

ストレージソフト分野に今後5年で10億ドル以上の投資も

 米IBMは17日(米国時間)、自社のハイエンドストレージ「IBM XIV Storage System」(以下、XIV)の機能をソフトウェアとして提供する「IBM Spectrum Accelerate」を発表した。700件以上の特許が組み込まれており、モバイル端末からも利用可能な単一のダッシュボードを通じて、大量のデータ管理を適切に行えるという。

 IBM Spectrum Accelerateは、ユーザー企業のシステム基盤にXIVのインテリジェントな機能を追加するためのソフトウェア。ハードウェア製品からインテリジェンスを取り出してソフトウェアとして提供するため、ユーザーはサービスやアプライアンス、ソフトウェアとして、それらのインテリジェンスを利用できるという。

 それらの機能には、チューニング不要な独自のアーキテクチャが含まれており、一般に数カ月かかるストレージハードウェアシステムの追加や導入・運用を、動的にストレージ容量を追加する手法によって、数分で行えるようになるとした。また、通常のRAID構成で数日かかる6TB HDDの復旧作業を1時間以内で完了できるので、災害時のデータの事業継続を支援するとのこと。

 管理機能は、ダッシュボードのほか、RESTful API、OpenStack、VMware vCloud Suiteの統合もサポート。スナップショット、同期・非同期レプリケーション、マルチテナンシー、自動化などのクラウドに対応する機能とテクノロジーを備え、購入、ライセンス取得、導入も用意に行える。

 2015年後半には、マルチクラウドコネクタ機能が導入される予定で、これが実現すると、データの機密性を確保しながら、複数のクラウド間でデータを動的に移動できるようになる。こうして、複数のクラウドでクラウド環境を構成するアプローチにより、単一のクラウドよりも、サービス停止やデータ消失に対しより強力な回復力を提供できるとのことだ。

 なおIBMでは、次世代ストレージソフトウェアの開発を加速するため、今後5年間で10億ドル以上をストレージソフトウェア製品群に投資する計画も発表している。

石井 一志