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日本NCR、タブレット活用のPOSレジ「NCR RES MeX」、顧客・商品管理も統合

 日本NCR株式会社は2日、タブレット端末を活用した店舗向けソリューション「NCR RES MeX」を発表した。POSレジ機能に加え、バックオフィス業務を同一のタブレット端末から行えるのが特徴。

「RES MeX クライアント」とバーコードリーダーおよびクレジットカードリーダー
「RES MeX クライアント」画面

 タブレット端末にクライアントアプリ「RES MeX クライアント」をインストールし、店舗内に設置した専用ホスト機器「RES MeX ホスト」に無線LANを介して接続する構成。タブレットにはバーコードリーダーやクレジットカードリーダーがそれぞれBluetooth接続される。一方、RES MeX ホストにはプリンターや自動釣銭機などの周辺機器が接続されており、入出金やレシート発行などの機能は複数台のタブレットからこれを共有する仕組みだ。

「NCR RES MeX」の構成
「RES MeX クライアント」と「RES MeX ホスト」の構成

 日本NCRによると、POSレジ機能を実現するタブレットアプリはすでにあるが、それらは決済端末の機動性、あるいは顧客の目の前でクレジットカード決済を行うという安心感を提供するのが主眼だったという。これに対してNCR RES MeXは、接客サービスのためのソリューションとして開発した点が異なるとしている。

 具体的には、従来はバックオフィスでPCからアクセスしていた商品管理や顧客管理、ECシステムといった機能をウェブベースで提供することで、RES MeX クライアントのタブレット端末から店内の各所で利用できるようになる。顧客の好みを踏まえた接客やウェブの商品カタログを参照しながらの接客が可能になるほか、将来的には顧客がオンラインで登録したウイッシュリスト画面を参照しながらの接客なども考えられるという。

「NCR RES MeX」の特徴
「NCR RES MeX」の概要

 近年、ベンチャー企業などにより、タブレットを活用したPOSレジアプリのソリュシューションが提供されるようになった。こうした流れの中、日本NCRの従来からのPOSソリューションを導入している企業においてもタブレット活用への要望が出てきたという。NCR RES MeXは、こうした要望を受け、単にモバイルPOSを提供するのではなく、既存POSとの併用なども見据えて、日本で開発し、世界に先駆けて提供する店舗ソリューションとなる。すでに導入を決定している百貨店もあるとした。

 なお、現時点でRES MeX クライアントが対応するタブレット端末は、セキュリティ上の観点からiPadのみ。10月には「PA-DSS 3.0」にも対応する予定だ。

 また、タブレットによるモバイルクライアント以外に、大画面のタッチディスプレイで操作できる専用の定置型POSクライアントも用意しており、状況に応じてタブレットと定置型クライアントを使い分けられる。

 RES MeX ホストの機能については、店舗チェーンの本部やデータセンターに設置したエンタープライズサーバーでまかなうことも可能。催事場など臨時の売り場や試験導入などにも対応でき、規模に応じた構成で運用できる。

 NCR RES MeXの価格は、導入形態や規模などにより異なるが、従来のPOSよりもはるかに低い価格体系だとしている。

「RES MeX クライアント」と定置型POSの併用
エンタープライズサーバー構成

永沢 茂