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ヴイエムウェア、ネットワーク仮想化事業を強化

パートナー4社と深く協業、認定資格の立ち上げも目指す

ヴイエムウェアの三木泰雄社長
ネットワーク仮想化事業を拡大するための3つの施策

 ヴイエムウェア株式会社は24日、日本市場におけるSoftware Defined Data Center(SDDC)構想をより推し進めることを目的として、ネットワーク仮想化事業を拡大すると発表した。その中核製品となるネットワーク仮想化プラットフォーム「VMware NSX」の導入を促進するため、導入支援をはじめとしたプロフェッショナルサービスを強化するほか、パートナーとの共同展開や、ネットワーク仮想化に関する認定資格の立ち上げなどを目指すという。

 ヴイエムウェアの三木泰雄社長によれば、SDDC構想の構成要素であるネットワーク仮想化は、国内市場でも拡大が見込まれているとのことで、三木社長が引用したIDCの調査によると、2014年には100億円を超える程度と予測されているSDN(Software Defined Networking)エコシステム市場は、2015年には250億円、2016年には500億円超と、急速な成長が予測されている。

 そのネットワーク仮想化分野でヴイエムウェアでは、中核製品としてVMware NSXを提供しており、国内でもNTT Comやニフティなど、サービスプロバイダを中心に導入が進んでいるという。その一方、ヴイエムウェアが大規模法人ユーザーに行ったアンケートでは、ネットワーク仮想化がもっとも関心が高いテーマになっているとのことで、今後は、サービス事業者のみならず、一般企業においても導入が進むと期待されている。

 しかしネットワーク仮想化は新しい技術であるため、企業側では導入・運用ノウハウの欠如が指摘されているほか、ネットワーク仮想化に強い技術者もまだまだ不足しているのが現実。さらに、導入に際してパートナーの支援を受けようとしても、どこが技術や実績を持っているのかがわからない、といった課題があるという。

 こうした状況を受けてヴイエムウェアは、3つの施策でネットワーク仮想化の導入促進を図るとした。1つ目はプロフェッショナルサービスの拡充で、顧客環境へのネットワーク仮想化導入に際して、技術的な検証や導入作業、運用設計などの支援をヴイエムウェア自身がサービスとして提供する。

 2つ目は、パートナーとの支援体制の確立。グローバルで展開されている「Elite Initiative」を利用し、高い技術力・SI力を持つパートナーと深く協業して、ユーザー企業の支援を図る。三木社長は、「ネットワーク仮想化はSDDCの構成要素であるため、データセンター全体のSIや、ハードウェア、ソフトウェアを含めた技術力が必要になる」点を指摘。パートナーを絞り込んだ上で深く連携することにより、ネットワーク仮想化の市場拡大を目指すとした。今回は、CTC、ネットワン、日立、富士通の4社との連携が発表されている。

 最後は、ネットワーク仮想化認定資格制度の立ち上げで、こちらは2014年中の開始を予定しているとのこと。

パートナー4社との記念撮影も実施された

 なお、米VMware ネットワーク担当CTOのマーティン・カサド氏は、ネットワーク仮想化の最新動向について、「この半年の間で、かつてないほど採用が増えており、テクノロジーに長(た)けているイノベータ企業だけでなく、保守的なお客さまを含め、一般企業での採用が増加した。ネットワーク仮想化を7年見て来たが、その速度がますます加速している」と説明。

 さらに、「ネットワーク仮想化採用の理由として、プロビジョニングが短縮されることと、持っているハードウェアを有効利用できることなど経済性の2つがよく聞かれていた。しかし、最近ではセキュリティという観点からの事例が増えており、ここ半年の間では、40%の案件でセキュリティが一番目の要件になっている」と、最新のトレンドを紹介している。

米VMware ネットワーク担当CTOのマーティン・カサド氏
導入企業が拡大し、金融機関などでも採用が増えているという
ネットワークを仮想化する理由として、セキュリティを挙げる企業が増えてきたとのこと

石井 一志