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Red Hat、仮想化ワークロードとエッジデプロイメントをサポートする新機能を追加した「Red Hat OpenShift 4.16」を提供

 米Red Hatは現地時間12日、Kubernetesを搭載したハイブリッドクラウド向けのアプリケーションプラットフォームの新版「Red Hat OpenShift 4.16」について、新機能と機能強化、およびRed Hat Advanced Cluster Security Cloud Serviceの一般提供を発表した。

 Red Hat OpenShift 4.16では、仮想化ワークロードとエッジデプロイメントをサポートする新機能を追加した。新機能は、組織がより簡単に多様なワークロードを開発、接続、セキュリティ強化できるように設計されており、アプリケーションや環境全体に対し、さらに一貫性のあるエクスペリエンスを提供するとしている。

 仮想化ユースケース向けの新機能のうち、Metro disaster recoveryは、Red Hat OpenShift Data Foundationにデプロイされたストレージを、管理用のRed Hat Advanced Cluster Management for Kubernetesと組み合わせて使用する仮想マシン(VM)に対し、地域ディザスタリカバリを提供する。

 Hot-add CPUは、安全なメモリ・オーバーコミットでメモリ密度を向上させるために、実行中のVMに宣言型の方法でvCPUリソースを追加する機能を提供する。また、CPUホットプラグでVMのスケールアップをさらに容易にする。

 Red Hat Advanced Cluster Managementのマルチクラスタ仮想化モニタリングは、ユーザーが複数のRed Hat OpenShiftクラスターにまたがるすべてのVMを表示できるだけでなく、VMのレポートをより迅速に収集し、作成できる。

 エッジデプロイメントをサポートする新機能では、単一ノードのOpenShiftにイメージベースのアップデート(IBU)による「シフトレフト」アプローチを導入している。単一ノードのOpenShiftユーザーは、アップデートプロセスの大部分をプロダクション前の環境にシフトできるようになり、プロダクションサイトでの更新にかかる時間を短縮できる。さらに、アップデートに失敗したり、アプリケーションが機能する状態に戻らなかったりした場合は、アップデート前の状態に戻すことができる。これにより、アップデートの成否にかかわらず、サービスをできるだけ迅速に復旧できる。

 さらに、自己完結型のRed Hat OpenShiftインスタンスで、すぐ使用できるようにカスタマイズされたアプライアンスを構築しようとするRed Hatパートナーのために、OpenShiftベースのAppliance Builderがテクノロジープレビューとして提供されるようになる。

 OpenShiftベースのAppliance Builderは、複数のRed Hat OpenShiftクラスターのインストールに使用されるAgent-based Installerを含むディスクイメージを作成する、コンテナベースのユーティリティ。これにより、接続が制限されているときや、接続していない状態、外部レジストリがない場合でも、リモートのエッジサイトにRed Hat OpenShiftを大規模にインストールすることが容易になる。

 セキュリティ面では、Kubernetesネイティブのセキュリティクラウドサービス「Red Hat Advanced Cluster Security Cloud Service」を提供する。Red Hat Advanced Cluster Security Cloud Serviceは、Red Hat OpenShiftと、Amazon Elastic Kubernetes Service(EKS)、Google Kubernetes Engine(GKE)、Microsoft Azure Kubernetes Service(AKS)など、Red Hat以外のKubernetesプラットフォームの両方をサポートする。組織は、ワークロードのセキュリティ保護を数分で開始できると同時に、追加のオーバーヘッドや複雑な作業を伴うことなく、クラウドや地域間でより簡単に拡張できる。

 Red Hat OpenShift 4.16は現在、一般提供されている。最新バージョンへのアップデート方法など、詳細についてはこちらをご覧ください。Red Hat Advanced Cluster Security Cloud Serviceは、限定提供から一般提供へ移行した。