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キヤノンMJ、米3D SYSTEMS社製3Dプリンターのラインアップを強化
3D CADやMRシステムを組み合わせた3Dソリューション事業を展開
(2014/4/10 14:08)
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は4月10日、米3D SYSTEMS社製3Dプリンターのラインアップを強化すると発表した。合わせて、3D SYSTEMS社製3DプリンターとキヤノンITソリューションズ株式会社が手掛ける3D CADソフト、MR(Mixed Reality:複合現実感)システムを組み合わせた3Dソリューション事業を4月10日から展開する。価格は個別見積もり。
キヤノンMJでは3Dプリンターのプロフェッショナルモデル「ProJet 3500 HDMAX」と「ProJet 660Pro」をショールームに展示し、デモンストレーションや実機評価の機会を提供。装置販売やソリューション提案のほか、納入後の技術サポートと保守サービス体制も整え、全国で販売と保守サービスを展開する。
3D SYSTEMS社の3Dプリンターを扱う企業は他にもあるが、キヤノンMJでは年内には全国に拠点を広げる考えで、「1万数千人体制で全国に同じように製品・サービス・サポートを提供でき、3D SYSTEMS社の製品群をこれだけカバーしているのはキヤノンMJだけではないか」という。
キヤノンMJグループは、2014年からの3カ年計画「中期経営計画」で、ICT機器が飽和状態になりコモディティ化しつつある法人のオフィス部門から、商品企画・設計・製造部門などものづくりの現場などにおける新たな需要の掘り起こしを行い、成長のエンジンとする計画を掲げている。
製造業などにおいては開発期間の短縮、開発コストの圧縮などで、設計した3Dデータをそのまま立体造形できる3Dプリンターが注目されており、3Dプリンター需要の約5割を製造業が占める。キヤノンMJグループはこれまで、ITソリューション事業の中核企業キヤノンITソリューションズを中心に、CADやCAM、CAE、PDMなどの3D関連ソフトや、MRシステム「MREAL(エムリアル)」を製造業向けに販売。昨年11月に、産業機器セグメントで3D SYSTEMS社のプロダクション3Dプリンターの販売を開始した。
今回、キヤノンITソリューションズでの取り扱い製品ラインアップを拡充。50万円のCube Xから3000万円のProJet 5500Xまで幅広く取り揃えた。また、従来から扱ってきたWindows用3D CADソフト「SolidWorks」や3D CAD/CAM/CAEシステム「NX」、MRシステム「MREAL」に加え、3D SYSTEMS社製の3Dソフトウェア群を合わせて提供。3Dコンテンツを活用した設計・開発・生産プロセスをインプットからアウトプットまで一貫して構築できる3Dソリューションを提供する。
キヤノンMJグループは、2016年の法人向け3Dプリンター市場規模予測260億円のうち20%、約50億円の獲得を目指し、これに3Dエンジニアリング事業を加えて2016年売上を100億円以上とする目標を掲げている。