ニュース

アライドテレシス、“ネットワーク視点”のプライベートクラウドソリューション「EtherGRID」

 アライドテレシス株式会社は31日、プライベートクラウドソリューション「EtherGRID」を発表した。「ネットワークベンダーとしての長い経験、ノウハウを生かし、ネットワーク視点でグランドデザインしているのが特徴」(ソリューションエンジニアリング本部 合原義雄本部長)とのことで、2014年第1四半期より提供開始する予定。

 「EtherGRID」は、プライベートクラウドを導入可能にする包括的なソリューション。サーバー、ストレージ、ネットワークスイッチなどのハードウェアと、OSやミドルウェアなどを統合した垂直統合型システム「EG-IPC(EtherGRID Infrastructure for Private Cloud)」を中核に、導入前のコンサルティングから、導入作業、導入後のサポートまでを一括して提供できるという。

EtherGRID
ソリューションエンジニアリング本部 合原義雄本部長

 「EG-IPC」については、幅広い用途に利用できるIaaSタイプの「Platform」と、VDIやバックアップ、VMSといった特定用途向けの「Service」を用意するが、その特徴となるのが、ネットワークを中心とした最適化を図っている点。ネットワークベンダーならではの知見を盛り込むことで、データセンター内での重要な役割を担うネットワークの最適化を可能にしている。

 また、「EG-IPC」は垂直統合型システムとはいえ、サーバーやストレージといった製品をアライドテレシス自身が持っているわけではないため、さまざまなパートナーの製品を組み合わせられるオープン性もメリットとした。具体的な採用メーカーや構成などは特に明らかにされていないが、事前検証されたリファレンスモデルがいくつか提供される予定という。

EG-IPC
EG-IPCのラインアップ

 「EtherGRID」を支えるファシリティは、密閉型のラックに空調ユニットを一体化した24U/33U/42Uの1ラック型と、屋外設置用のコンテナ型(4~5ラック向け、または8~10ラック向け)を用意する。1ラックタイプには、オプションとしてUPSやPDU、監視システム、消化システムなども実装可能で、サーバールームなどにすぐ設定できる。一方のコンテナ型は、要件に応じたカスタマイズにも対応し、短期間での構築や移動が可能とのこと。

 「大規模なデータセンター事業者では最先端のテクノロジーを追い求めながら事業展開するが、多くの企業や団体には専門エンジニアがおらず、どう導入・運用していいかがわからない、というお客さまはたくさんいる。お客さまに応じた導入と運用をお手伝いすることが必要になるので、その支援を行いたい」(合原本部長)。

 なお、販売は従来の同社製品と同様、原則としてパートナー経由の間接販売で行う予定。合原本部長は、専門知識が必要とされるソリューションのため、場合によっては直販での対応も一部行う可能性があるとしたが、パートナーへのトレーニングなど各種支援を行いつつ、従来通りの体制で対応していくとしている。

EtherGRIDを支えるファシリティ
1ラック型の42Uサイズ

石井 一志