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東京エレクトロンデバイス、容量と性能を2倍に拡張したフラッシュアレイ「FA-400シリーズ」

Pure Storage マーケティング&プロダクトマーケティング担当副社長のMatt Kixmoeller氏
新製品のFlashArray FA-400シリーズでは、従来のFlashArray FA-300シリーズと比べて性能や容量が2倍に拡大された

 東京エレクトロンデバイス株式会社は7日、米Pure Storageのオールフラッシュアレイ「FlashArray FA-400シリーズ」を国内で同日より販売開始すると発表した。価格は最小構成で2100万円から。また同時に、OSの新版「Purity 3.0」もリリースした。

 Pure Storageが開発しているFlashArrayシリーズは、商用のSSD(MLCモデル)を利用したプライマリストレージ向けのディスクアレイ。独自のインライン重複排除と圧縮機能を用いて、HDDよりは少ないSSDの物理容量を有効活用しながらも、高速なI/O処理を実現。標準的なHDDベースのストレージと同等のコストで、高速なフラッシュストレージを利用できる点が特徴という。

 Pure Storage マーケティング&プロダクトマーケティング担当副社長のMatt Kixmoeller氏は、「先行していたHDDベースのストレージと比べると、10倍の性能を、1/10のスペースや電力で提供できるのが当社のフラッシュアレイだ」とその特徴をアピール。

 また、「4年前には、すべてをフラッシュメモリで提供するには“クレイジー”だと思われていたが、今では大手ベンダーがすべて当社に付いてきているので、オールフラッシュが正しい戦略だということがわかる。また、彼らは来年やそれ以降に製品を出すと言っているのに対し、当社はすでに製品を使っていただける」と述べ、自社が大手ベンダーよりも先を行っていることをアピールした。

 さらにFlashArrayシリーズは、x86アーキテクチャの汎用ハードウェアを採用している点もメリットとのことで、「ASICやFPGAを採用している他社が、ゆっくりとしか進化できないのに対し、ムーアの法則によって性能が向上する恩恵を十分に受けられるし、ソフトウェアの開発にフォーカスできる強みがある」と述べる。

 今回提供するFA-400シリーズも、この延長線上で開発されており、Sandy Bridge世代の8コアXeonプロセッサと256GBの大容量メモリを採用することで、従来の「FA-300シリーズ」と比べて2倍の40万IOPSへ性能を向上させている。また、容量も最大100TB(重複排除・圧縮後)までの拡張を可能にした。

Purity 3.0の新機能

 一方のPurity 3.0では、大きく4つの機能強化を行った。

 1つ目はスナップショット機能「ZeroSnap」の拡張。もともとZeroSnapでは、フラッシュアレイの性能に影響を与えずに多数のスナップショットを取れ、またスナップショットを取得してもメタデータで管理を行うため、容量には影響を与えないといった特徴があった。今回は、VMwareのxCopy APIをサポートしたので、瞬時に仮想マシンのクローニングが行えるようになったという。

 2つ目は他社製品との統合で、VMware VAAI APIのサポート、OpenStack Cinderとの統合などを実施。3つ目のセキュリティでは、In-Q-Telと共同で、データロス時やドライブ交換時などにおいても、256ビットAES暗号化を常にかけ続けられるようになった。

 最後の4つ目は、ゼロダウンタイム機能の拡張である。これまでも、ソフトウェアアップデートや容量拡張などをダウンタイムなしで行えたが、今回はさらに、コントローラのアップグレードもダウンタイムなしで可能になっている。

 なお東京エレクトロンデバイスによれば、「FlashArrayシリーズは、非常にシンプルに運用できる点が顧客に評価されている」(CN事業統括本部 CNプロダクト事業部 ビジネスデベロップメント部の長尾圭輔氏)とのこと。

 FA-300シリーズの運用時から、サーバー仮想化、VDI、データベース/解析などを重点目標として販売を進めるとしていたが、特にデータベース/解析の分野で反響があるそうで、「データベース分野では、各社がさまざまな垂直統合型製品を出しているが、とにかく値段が高い。安くてもパフォーマンスがきちんと出るものがほしい、というニーズがあり、引き合いをいただいている」(長尾氏)とした。

(石井 一志)