NEC、新山梨県立図書館のシステムを構築~蔵書80万点にRFID

「おくだけサーチ」「デジタルサイネージ連携」など先進機能も


 NECは、新山梨県立図書館の図書館システムを構築した。所蔵資料約80万点にRFIDを添付し、全面的にRFIDを採用した。

 新山梨県立図書館は、すべての県民に親しまれ、県民とともに成長・発展していく「山梨県民図書館」を目指して11月11日に新オープンする図書館。

 新システムでは、所蔵資料約80万点にRFIDを添付し、貸出管理や蔵書点検などの図書館業務から、自動貸出機や予約棚システムなどの利用者サービスまで、全面的にRFIDを採用する。

 また、図書を専用の端末に置くだけでその図書の情報や関連する本を紹介する、新しいスタイルの検索システム「おくだけサーチ」も導入。「おくだけサーチ」は図書に添付されたRFIDを読み取ると、表紙画像やタイトルなどの情報を表示するとともに、図書館が所蔵している関連図書の一覧を表示・検索できる。業務用端末や自動貸出機などの端末は住基カードの認証に対応。利用者は図書館利用カードだけでなく住基カードでも貸し出しなどのサービスが受けられる。

おくだけサーチ端末

 電子書籍については、利用者が所有するiOS/Androidなどのタブレット端末やPCにより貸出・閲覧できる。館内においては、インターネットが利用できる利用者PCのほか、NEC製のタブレット型端末で貸出・閲覧できる環境を提供。端末自体の貸出管理も容易に行えるよう、図書館システムによる貸出管理も実現している。

 また、館内向け情報システムも整備。館内のPC席、AV視聴席、学習席の利用について、座席の申し込みやPC席の利用時間を管理する「座席管理システム」を導入。貸出出納資料の到着案内など館内の大型ディスプレイに図書館システムの情報を提供する「デジタルサイネージ連携機能」も導入した。

 このほか、インターネットを活用した情報システムとして、県立図書館と市町村図書館の相互賃借を支援する「総合目録システム」、県内の大学図書館や国立国会図書館を対象に図書の横断的な検索が可能な「横断検索システム」、山梨県立図書館が所有する貴重資料をデジタル化して公開する「デジタルアーカイブシステム」、山梨で「学ぶ」「暮らす」「働く」「訪れる」をテーマにさまざまな情報を提供する地域情報ポータルサイトなどを構築した。

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(川島 弘之)
2012/11/9 12:27