国内DLP市場、2016年には3倍の規模に~標的型攻撃やモバイルを懸念


 IDC Japan株式会社は31日、2011年の国内DLP(Data Loss Prevention)市場実績と2016年までの予測を発表した。2011年の同市場規模は29億円で前年比成長率は53.2%だった。

 DLP製品には、データの移動時や利用時に情報漏えいを検出・ブロックする「ネットワークDLP」、クライアントPCやサーバーなどエンドポイント上の機密データの利用を検知・制御する「ホストDLP」、機密データが格納場所をスキャンする「ディスカバリDLP」がある。またソフトウェア製品とアプライアンス製品に分類できる。

 2011年の国内DLP市場は、標的型攻撃などによる情報漏えい事件が増加していることから、ソフトウェア製品を中心に需要が高まったという。さらに巧妙化が進む標的型攻撃やモバイルデバイスの利用増大によって、2012年以降も、ホストDLPを中心に市場拡大をけん引すると見ている。

 同市場の2011年~2016年における年間平均成長率(CAGR)は25.6%で、市場規模は2011年の29億円から2016年には90億円に拡大すると予測している。

 また、同社が2012年2月に実施したユーザー調査では、導入済み/導入検討中の企業の6割で、予算が製品導入の課題と回答。DLP製品は、導入費用と導入作業が大きな課題となっており、市場拡大の阻害要因になっているという。

 そのため、まずは機密情報の取り扱いに対するポリシーが明確になっている部門などから、目的にあった機能に限定したソリューションで導入を進め、その後、統合的な情報漏えい対策まで網羅できる、段階的な拡張性を持ったソリューションが必要だと同社では考えている。

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