NEC、山梨大学の情報システム基盤をハイブリッドクラウド環境に刷新
日本電気株式会社(NEC)は29日、山梨大学の情報システム基盤をクラウド環境へ移行したと発表した。PC教室やフリースペースの端末はシンクライアントシステムにより刷新し、両システムとも9月から稼働を開始している。
山梨大学はこれまで甲府キャンパスと医学部キャンパスで別々に期間サーバーを設置・運用していた。今回、これらのサーバーを統合・仮想化しデータセンターへ移行、プライベートクラウド型で利用することで、サーバー台数を70%削減するとともに、24時間365日のサービス継続を実現した。
サーバーの統合には「Express5800/SIGMABLADE」、ストレージには「iStorage」を採用。データセンターとキャンパス間は10 Gigabit Ethernetの回線で冗長化を行い、キャンパス内基幹ネットワークスイッチには、ユーザー単位でネットワークの接続制限が可能となる認証スイッチを採用した。
また、約7000人の学生・教職員が利用するメールシステムには、日本マイクロソフトのパブリッククラウド型「Office 365 for Education」を採用。
情報処理教室のシステムには、ネットブート型シンクライアントシステムを導入。シンクライアント端末としては540台の一体型PC「Mate」を採用。OSやアプリケーションはサーバーで集中管理、端末管理の負荷を軽減し、また端末内に個人データを保存しないことでセキュリティを強化した。ネットプリントサービスなども導入し、利便性を向上している。シンクライアントシステムはリモートアクセスにより教室外からも利用できるため、自習環境の拡充にもつながっている。
さらにNECの認証技術で各サービスをシングルサインオンで利用可能に。国立情報学研究所がサービスを提供する「eduroam」(所属機関のアカウントを利用して大学間で無線LANの相互利用を可能とする国際無線LANローミング基盤)にも対応し、今後、ほかの大学や研究機関とのシステム接続や無線LAN接続を同じIDで実現する環境も整備するとしている。
NECは今回の構築実績を基に、大学向けクラウドサービスの提案を強化し、拡販につなげる意向。