NEC、スマートデバイスを用いた業務システム構築を強化
多機種対応のアプリを迅速に開発できる基盤を整備
日本電気株式会社(以下、NEC)は24日、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスを活用した業務システム構築を強化すると発表した。企業がスマートデバイスを業務で活用する際のシステム構築をより迅速化・効率化することで、SIサービス事業の強化を図る。
企業が業務で活用するスマートデバイス向けアプリケーションでは、使いやすいユーザーインターフェイス(UI)や高度なセキュリティなどのニーズにあわせ、柔軟かつ迅速な提供が求められるが、さまざまなデバイスやOSにあわせた開発が求められるため、短期間でのシステム開発には課題があったという。
そこでNECでは、スマートデバイス向けのアプリケーション開発を効率的に行う業務システム構築基盤「SystemDirector Enterprise for Smart Device」を整備。複数のデバイス、OSの種類、バージョンの違いなどにより個別の開発が必要になる部分を最小限に抑えつつ、共通部分を1つのソースコードで開発できるようにしたという。
具体的には、カメラやGPSなど、端末が保有している機能との連携部や、プリンタ・スキャナなど各種デバイスとの連携部を、OSに依存しない共通のアプリケーションとして実装する仕組みを提供するほか、マルチデバイスに対応可能なソースコードを設計書から自動生成するジェネレータ機能も提供される予定。
また、タッチパネルなどスマートデバイスの特性に対応したUIの基本設計方法(ガイドライン)を整備し、企業のシステム構築において、利用シーンに応じた操作性の高いアプリケーションを提供できるようにする。さらにセキュリティについても、安全性の高いアプリケーションを開発するための方法論と、NECのスマートデバイス管理サービスとの連携機能を整備し、セキュリティを確保したシステムの開発効率化を実現するとした。
これによって、企業が業務システムで複数の端末種類を利用する場合でも、その種類ごとにアプリケーションを開発する煩雑さを軽減できるとのことで、特に、個人所有の端末を業務でも活用するBYOD(Bring Your Own Device)など、さまざまな種類の端末の利用が見込まれる場合に有効に働くという。
なおこの基盤は、クラウド型ソフトウェア開発環境「ソフトウェアファクトリ」上へすでに展開されており、NECグループ内での活用を本年度下期から開始している。NECによれば、スマートデバイスの機種ごとに個別開発するケースと比較して、平均で15%の開発期間短縮が見込めるとのことだ。