日本HP、IPSとセキュリティ統合管理ソフトの処理性能など強化

TippingPointとArcSight製品の新版


説明するHPソフトウェア事業統括 エンタープライズ・セキュリティ・プロダクツ統括本部 統括本部長の新造宗三郎氏

 日本HPは13日、不正侵入防御アプライアンス(IPS)の新モデル「HP TippingPoint NX Platform Next Generation IPS」と、セキュリティ統合管理ソフトの新版「HP ArcSight ESM 6.0」を発表した。いずれも処理性能の向上を中心とした機能強化を図っている。

 昨今、エンタープライズセキュリティ分野では、標的型などの高度化するサイバー攻撃への対応、クラウド、マルチデバイス、ビッグデータなど新たな環境への対応が求められている。今回、これらのニーズに対応するため、エンタープライズセキュリティソリューションのラインアップを強化し、IPSとセキュリティ統合管理ソフトの新版を提供する。

 「HP TippingPoint NX Platform Next Generation IPS」は、脆弱性の悪用からサーバー群やクライアントPC、ネットワークを保護する。外部からみて脆弱性が存在しないようにする「HP Digital Vaccine」(仮想セキュリティパッチ機能)によって、システムにセキュリティパッチを適用しなくてもサイバー攻撃を防御できる。HPのセキュリティ研究グループ「DV Labs」が幅広いソフトウェアやシステムの脆弱性を発見し、迅速にそのDigital Vaccineをリリースしている。

 また、600万件/日、グローバル2500社以上からの攻撃分析情報を提供する「ReputationDV」により、ボットネットなどの悪意あるサイトからの攻撃、サイトへのアクセスによる感染を防ぐ。

 今回の新モデルでは、ネットワークセキュリティプロセッサを増強・再設計することで処理能力の向上を実現(13Gbps)したほか、ネットワークポート数を最大16ポートに拡張し、モジュラー型のネットワークポートを採用、柔軟なネットワーク構成を可能とした。また、10GbEだけでなく40GbEにも対応した。

 価格は、13Gbps対応の「HP 57100 NX IPS」が3150万円、5Gbps対応の「HP 55200 NX IPS」が2268万円。9月13日より販売する。

HP独自開発の「CORRエンジン」を新搭載

 一方の「HP ArcSight ESM 6.0」は、システムやネットワークから発生するさまざまなログデータを取得し、リアルタイムに相関分析を実施し、レポーティングすることで、ビジネスリスクに対する脅威の予兆監視や発見的対策を実現するという。

 新版では、HP独自開発の「CORRエンジン」を新搭載し、分析処理を大幅に高速化した。サードパーティのRDBMSを利用していた前バージョンに比べ、検索・相関分析のパフォーマンスは300~500%に向上した。また、収集したログデータを圧縮してストレージに格納することで、必要なストレージ領域を1/20に削減したという。

 価格は未定。10月下旬より販売する。

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