日本マイクロソフト、パートナー向け戦略を発表~Officeでは最大23%のインセンティブも


日本マイクロソフト 執行役ゼネラルビジネス担当の高橋明宏ゼネラルマネージャー

 日本マイクロソフト株式会社は7日、Windows 8をはじめ、今後同社が発売する新製品を中心としたパートナー向け戦略を発表した。

 日本マイクロソフト 執行役ゼネラルビジネス担当の高橋明宏ゼネラルマネージャーは、「今年はWindows 8、次期Office、Windows Server 2012という3大製品が発売されることになる。これを全国のビジネスパートナーとドライブしていくことになる」とし、「パートナーとの距離をもっと縮めることが必要。パートナーが持つさまざまなコンピテンシー(パートナーが得意とする業種および業務ノウハウやソリューションなど)をさらに生かしたい。数値目標はあるが、それよりもゴールドコンピテンシーとなるパートナーを増やすなど、質の向上にこだわりたい。また、地方におけるローカルパートナーとのエンゲージメントに力を入れたい」と語った。

 マイクロソフトのパートナー制度であるMicrosoft Partner Networkにおいて、今年度から新たにSmall Business Competencyを開始。中小企業に対するクラウドソリューションなどの展開を加速させる一方、SharePointによる統合ソリューションの展開を行うSharePoint Competencyや、PCにとどまらず、タブレット端末やスマートフォンなどの多様なデバイスへの対応を想定したDevice and Deployment Competency、これまでCRMなど3つの分野に分かれていたISV向けのCompetency制度を統合したISV向けCompetencyを用意するという。

 Windows 8に関しては、「現在多くの企業で利用されているWindows XPは、2014年4月にサポートが切れることになる。Windows 8は、同スペックのPCではWindows XPに比べて約3分の1の時間で起動し、Windows 7に比べて2倍の処理能力を持っている。OSとしての根本的な優位性を訴求し、これをユーザーに体感していただける場をパートナーとともに提供していきたい」と述べた。

 さらに、パートナーがエンドユーザーに請求書を発行できるOffice 365 Openを提供したことに触れ、「これにより、パートナーがOffice 365を販売しやすい環境が整うことになる。ユーザーのすそ野を広げることができる」と位置づけた。

 Office 365 Openは、同社2013年度中(2013年6月決算)に登場する予定であり、これまでは日本マイクロソフトと顧客との契約形態だけだったOffice 365において、パートナーから顧客への直接課金を可能にすることができるようになる。

 また、Windows Server 2012に関しては、「日本は先進国市場において、サーバーの売り上げが少ない市場。この分野での売り上げを拡大させることに力を注ぐ。国内の中堅・中小市場は約150万社あり、それに対して、400人強で対応していかなくてはならない。パートナーとの連携を強化するとともに、より効率的なビジネスを行っていく必要がある。そのひとつとして、社内でテレセールスエンジンと呼んでいる仕組みを活用し、中身の濃いデータを利用することで、パートナーとともに案件成約の活動強化へとつなげたい」などと語った。

 

23%のペイバック、教育支援などさまざまなパートナー支援策を用意

日本マイクロソフト 業務執行役員 パートナーソリューション営業統括本部 統括本部長兼パートナー戦略統括本部長の佐藤恭平氏
強化された支援策

 一方、具体的なパートナー支援策については、日本マイクロソフト 業務執行役員パートナーソリューション営業統括本部統括本部長兼パートナー戦略統括本部長の佐藤恭平氏が説明した。

 Office 365に関しては、パートナーが販売した際のオンラインアドバイザーフィーとして、最大で契約金額の23%をペイバックするとともに、ファーストWinと呼ばれる初期導入商談では、インセンティブを新たな導入。ソリューションエクスペリエンスと呼ばれるハンズオンプログラムを通じた商談推進支援などを行う。

 また、Windows Server 2012では、日本マイクロソフトのテクノロジーセンターでの評価検証支援のほか、Windows Server Datacenter Editionに対する新規インセンティブを用意。12万8000円をファンドとして提供する仮想化導入計画サービスも開始する。

 一方、パートナーへの教育支援としては、mstepやDisti Boot Campを通じて延べ5万人に対するトレーニングを実施。技術者育成では、MCPセカンドショットパッケージ、営業担当者向け育成には新たにPartner Sales Specialistをそれぞれ用意。MCPセカンドショットパッケージでは、受講費用の40%割引などの制度も用意するという。

 販売支援では、各種販売インセンティブのほか、パートナービジネス支援サービスにより、電話による技術支援なども行う。

 さらにソリューションを広く展開するために、日本マイクロソフトのサイトで展開しているPinpointにおいて、パートナーのソリューションを登録し、公開できる場を提供。協業セミナーによる新規顧客の獲得支援なども行う。

 「日本マイクロソフトでは、3つの大型製品の投入にあわせて、市場に対する需要喚起、パートナーに対する技術支援、営業支援、販売支援体制を整えていく。これにパートナーが持つコンサルテーション、移行、開発、サポート、周辺機器などを組み合わせることによって、ビジネスを活性化させたい。過去最大の新製品発売をビジネスチャンスにしてもらうべく、新しい時代に向けて一緒に需要を喚起させていきたい」(日本マイクロソフト 業務執行役員パートナーソリューション営業統括本部統括本部長兼パートナー戦略統括本部長の佐藤恭平氏)などと方針を述べた。


パートナーネットワークの進化パートナーと市場の活性化を目指す
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