NEC、メインフレーム「ACOS」新モデル～CPU性能を3.5倍に向上しながらも消費電力を60％削減

i-PX9800/A100

　日本電気株式会社（NEC）は28日、メインフレーム「ACOSシリーズ」において、CPU性能を最大3.5倍に向上させた新製品「i-PX9800/A100」を追加し、同日より販売開始すると発表した。エントリーの「モデル A112」から最上位の「モデル A1VY」まで25モデルをラインアップする。標準レンタル価格は、月額950万円（税別）からで、出荷開始は9月28日の予定。

　「i-PX9800/A100」は、「ACOS-4シリーズ」の大型機「i-PX9000/A300」の後継製品。最新のNEC製CPU「NOAH-6」を搭載し、大幅な性能向上を果たしたほか、周辺装置との入出力性能を現行機の最大4倍、データ転送速度を最大2倍に向上させている。また最大チャネル本数も128本から512本へ増加した。

　可用性についても、システムを再起動することなくファームウェアのアップデートを有効にする「オンラインファームウェア置換機能」を新たに開発。運用中にメモリの交換を行えるメモリのオンラインリペア機能、着脱容易なI/Oカード機構などを採用し、保守性が大幅に向上した。

　このほか、4つのCPU（コア）を1チップに集積するなど部品点数の削減により、　故障率を低減。さらに、CPUやメモリなどのリソースを論理的に分割して、複数システムを同時に動作させられる「論理分割機能」に加え、リソースを物理的に分割する「物理分割機能」を新たに搭載したため、障害の影響を分割した区画内に閉じ込められるようになり、システムとしての連続稼働性がさらに向上したとしている。

　電力については、CPUの低消費電力化、高効率電源の採用、各種部品の低消費電力化により、装置の消費電力を現行製品と比べて最大60％削減している。

　なおOSについても、新OSの「ACOS-4/XA」を搭載し、データ転送処理の高速化やオープンシステムとの双方向データアクセス機能の強化、バックアップ時の重複排除によるレプリケーション時の通信コスト削減などを実現したとのこと。