富士通、複数拠点の電力データをクラウドで一元管理する「Enetune」
富士通株式会社は15日、クラウドを活用したEMS(エネルギーマネジメントシステム)サービス「Enetune」を開発し、6月より提供する。
Enetuneは、クラウドを活用することで自社ビル・テナント・店舗などの複数の拠点から収集した電力データを一元的に管理できるEMS。従来は拠点ごとだったエネルギーマネジメントを、全拠点を対象に一元的に行えるため、電力利用の効率を複数拠点で比較・評価した上で効果的な対策を展開できるという。
具体的には、同社のパブリッククラウドサービス「FGCP/S5」を用いて、複数拠点の電力データを集約する。複数拠点の電力利用状況をリアルタイムに把握し、状況に応じて機器・設備を停止するなどタイムリーな施策を実行できる。また、建物の環境や稼働時間、生産量など、さまざまな視点で電力利用効率を比較・評価することで、同規模の拠点でも電力の利用状況に差があるなどの知見が得られる。それらに基づいた対策を複数拠点に展開できるのが、Enetuneの利点だ。
また、富士通研の最新技術を適用した電力需要予測機能により、あらかじめその企業のピーク電力が予測できる。このため、計画的に蓄電池や自家発電機に切り替えたり、対象機器の遠隔制御や自動制御が可能となり、契約電力超過の抑制にも寄与するという。
詳細な機能としては、電力データをクラウドに集約する「見える化」、管理対処拠点全体の電力利用状況を集計する「統合管理」、当日の電力需要を事前に予測する「電力需要予測」、一定周期の利用電力監視により管理者に警報を通知する「デマンド管理」、遠隔操作で空調・照明などの省エネ制御が可能な「遠隔制御」、自動で空調・照明などの省エネ制御が可能な「自動制御」、省エネ法や自治体条例に対応した「報告書作成」などを備える。
価格は月額3万円(税別)/拠点から。初期費用は個別見積もり。同社では2012年6月から2年間で約2000件の販売を目指す。