日本HP、3PARストレージのオールインワンパッケージ「スターターキット」~ミッドレンジ市場の開拓目指す


HP 3PAR F400 スターターキット

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は26日、ハイエンドストレージ「HP 3PAR Utility Storage」(以下、3PAR)のラインアップに、クラウド向けストレージのパッケージ「HP 3PAR Fクラス スターターキット」(以下、スターターキット)を追加すると発表した。また同時に、既存製品「HP P10000 3PAR Vクラス」「HP 3PAR Fクラス」の価格を平均15%引き下げる。

 「スターターキット」は、ミッドレンジ向けに提供される構成済みのストレージソリューション。「Fクラス」をベースに、クラウド向けストレージに必要なハードウェア・ソフトウェアをあらかじめ組み込み・構成を済ませて提供するパッケージであるため、見積もり・発注・構成・導入にかかるリードタイムを約70%短縮できるという。

 また価格面でも、従来の同様の構成と比べて53%引き相当で提供されることから、これまで対象としてきたエンタープライズ市場だけでなく、中堅企業などに向けても提供が可能になるとのこと。日本HP 執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括の杉原博茂氏は、「3PARは従業員5000名以上のエンタープライズ市場でないと、価格的にも機能的にも必要とされていなかったが、『スターターキット』では500名以上のミッドレンジ市場でも手が届く。これを、パートナーとともに市場に広く展開したい」と、その狙いを説明した。


約70%のリードタイム短縮を実現日本HP 執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括の杉原博茂氏

 ミッドレンジ向けではあるが、これまでの3PAR製品で提供してきたシンプロビジョニングなどの機能や高い管理性はそのままで、それらによるコスト削減効果は同様に見込めるとのこと。エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 HPストレージ本部 製品マーケティング本部の宮坂美樹部長は、「3PARの特徴は、他社にはまねのできない、ハードウェアベースのシンプロビジョニングと、一度利用したらもうほかの製品には戻れないと言われる管理性の高さ。これらの活用により、CAPEX、OPEXを50%削減できる」と述べ、ミッドレンジ市場でもこれらが大きな武器になるとアピールする。


運用の改善により、50%のコスト削減も実現できるというエンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 HPストレージ本部 製品マーケティング本部の宮坂美樹部長

 ラインアップとしては、コントローラノードやドライブシャーシなどの拡張性を備えた上位パッケージ「HP 3PAR F400 スターターキット」と、安価な下位パッケージ「同 F200 スターターキット」を用意する。容量は9.6TB(共通)で、価格はそれぞれ、682万5000円から、577万5000円から。

 いずれのモデルにも、シンプロビジョニングのライセンスは標準で付属するほか、3年間のオンサイト保守、リモートサポートも提供される。「3PARではステータスを常時監視してログを残しているので、おかしな挙動が始まったら予防的な保守が可能だし、突発的な障害が起こっても、ログを見ればなぜかがわかる。こうしたハイエンド向け保守サポートをこのまま『スターターキット』にも提供する」(宮坂氏)。

 「この『スターターキット』の投入により、3PARでは前年比3倍の売り上げを目指したい。また国内での7%のシェアを、24カ月以内に2けたに成長させるのも目標。パートナーからとともに、ミッドレンジ市場を狙っていく」(杉原氏)。


エンタープライズレベルの保守を引き続き提供
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