デル、高密度化や運用効率の向上を実現した「Dell Power Edge」サーバーの12世代目

12世代目の「Dell Power Edge」の特徴

　デル株式会社は7日、x86サーバー「Dell Power Edge」において、12世代目となる新製品6機種を発表した。いずれも、発表されたばかりの最新CPU「Xeon E5ファミリ」を搭載した2ソケットモデルで、同日より順次販売を開始する。

　12世代目の「Dell Power Edge」サーバーは、IT環境の変化に迅速に対応するための“スピード”、変革を実現するための“パワー”、そして“効率性”といった3つの点に注力しているのが特徴。ワールドワイドで7700社にもおよぶ顧客からの声を反映して、スペースあたりの性能向上と高集積化、運用効率といった点を、前世代よりも向上しているという。

　性能向上と高集積化の点では、最新のXeon E5ファミリを採用しているほか、DIMMスロットを最大24本（768GB）まで搭載可能とし、より多くの仮想マシン搭載に対応。GPUをサーバーに内蔵できるようになったことで、HPCなど高速演算性能が要求される用途でも、より使いやすくなっている。さらにディスク数も前世代の2倍～4倍の搭載が可能で、Hadoopなどの分散処理環境にも適合しやすくなった。

　このほか、SSDをRAIDコントローラのキャッシュとして用いる「CacheCade データアクセラレータ」、PCI-Express（PCIe）スロットにSSDを直結できる「Dell Express Flash」をサポート。前者では、Oracle Databaseを用いたテストで、28倍のクエリ性能と3倍のユーザーをサポートできたほか、後者は標準SSDの約3倍のパフォーマンスを発揮でき、I/O性能が必要な環境で威力を発揮するという。なお、以前からデルでは、Fusion-ioのioDriveなどのPCIe直結型ストレージを提供していたが、Dell Express Flashは、ディスクのホットプラグやサーバー前面からのメンテナンスを可能にしている点が特徴である。

さらなる高集積化を実現	SSDを利用し、I/Oの高速化も達成した

　運用効率という点では、組み込み型システム管理機能である「iDRAC」が「iDRAC 7」にバージョンアップし、デル製品では初めて、完全エージェントレスでのシステム管理を実現。OSやハイパーバイザーに依存せず、効率的な監視を行えるようにしている。加えて、パーツおよびマザーボード交換時の自動再設定機能により、設定やファームウェアをサーバー側がバックアップしてパーツ交換後に書き戻し、正常稼働時の状態に自動復旧できるようになったとのこと。

　また、オンボードNICをモジュラー化し、オンボードで搭載するネットワークカードを複数のベンダー、コネクタ、帯域から選べるようにしている。これによって、オンボードでも柔軟な構成が可能になった。

　さらに、メインストリームサーバー製品では、80PLUS プラチナ認定の高効率共通電源モジュールを採用し、5種類の電源容量から用途に合わせた選択を行えるほか、Xeon E5が持つノード・マネージャーの機能などを用いて、サーバーやグループ単位でのパワーキャッピングを可能としている。

組み込みシステム管理の強化	外気冷却も全モデルが対応する

　デル 公共・法人マーケティング本部 サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏は、「前世代にあたる11世代目では、サーバーのデザインを大きく変更し、省電力化と運用管理の効率化を目指したが、この変更はお客さまより高い評価をいただいた。これを踏襲しつつ、お客さまが求めているスピード、パフォーマンスを向上させたのが12世代目。コストパフォーマンスに加えてスペースあたりの性能を向上させたほか、さらなる管理性向上などを実現している」と、新製品群の特徴を説明した。

11世代目から12世代目へ	デル 公共・法人マーケティング本部 サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏

　具体的な製品としては、2Uサイズで26台のディスク（2.5型の場合）を搭載できる超高密度型「R720xd」、16台のディスク（同）を搭載できる2Uサイズの「R720」、1Uサイズでも10台のディスク（同）を搭載可能な「R620」を提供。このほか、37デシベルの静音設計を採用し、ディスクを最大32台（同）を内蔵できるタワー型の「T620」、高密度サーバー「C6220」、ブレード型の「M620」などを順次発売するとのこと。

　価格は「R720xd」が39万5850円から、「R720」が29万8200円から、「R620」が27万900円から、「T620」が21万9450円から、などとなっている。

R720xd	T620