大阪大学の基礎工学部情報科学科、オラクルの仮想デスクトップ基盤を演習教室用システムに導入
Windows環境とUNIX系OSに対応する点を評価
日本オラクル株式会社は26日、国立大学法人大阪大学の基礎工学部情報科学科が、演習教室用のシステムを日本オラクルの仮想デスクトップ基盤で刷新し、稼働開始したと発表した。大阪大学に採用されたのは、仮想デスクトップ基盤を構築する「Oracle Virtual Desktop Infrastructure(VDI)」で、100台のクライアント端末を含む演習教室用システムにおいて利用されている。
大阪大学では、学生が最新のテクノロジーを利用できるように、システムや機器を3年で更新する方針を打ち出しているが、今回の更改では、UNIX系OSとWindows OSを切り替えて使用できること、特別なソフトをインストールせず遠隔から利用できること、クライアント端末を1000台規模に拡張しても管理コストを抑えられること、といった要件を掲げていた。
これに対して日本オラクルでは、シンクライアント端末「Sun Ray 2」をクライアント端末とする「Oracle VDI」の構築を提案。2010年10月に採用が決定され、2011年3月に稼働が開始した。「Oracle VDI」を含むサーバー、ストレージ製品群の導入と保守は、NEC、NECシステムテクノロジーの両社が担当している。
なお3つの要件の中でもっとも重視されたのは、授業で利用するUNIX系OSが動作する点で、UNIX系OSをサポートしている仮想デスクトップ環境は日本オラクル製品だけだったことが、採用の大きな要因だったという。
サーバー側の具体的なシステムとしては、x86ベースのサーバーモジュール「Sun Blade X6270 M2」で仮想サーバーを構築し、SPARCベースのサーバーモジュール「Sun Blade T6320」をDNSサーバーやメールサーバーとして活用した。
また、ゲストOSおよびホームディレクトリの格納にユニファイドストレージ「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」を、また一部の仮想サーバー用ストレージにディスクアレイ「Sun StorageTek 2540」を用いている。なお今回、デスクトップ環境の配信のために、100台の仮想マシンを作成しているが、「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」のクローン機能を使用し、短時間での作成が可能だったほか、同等の予算で導入した従来のシステムと比較して、8倍のストレージ容量が使用可能になったとのことだ。