ビッグデータに向けた「ABC戦略」を進めるネットアップ


米NetApp バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのブレンドン・ハウ氏
ビッグデータに対するソリューション一覧

 ネットアップ株式会社は7日、ビッグデータに対する戦略説明会を開催。米NetApp バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのブレンドン・ハウ氏がビッグデータに対する「ABC戦略」を説明した。

 データ量の増大、それに伴う運用の複雑化、迅速な情報入手――これらがビッグデータにおける主な課題である。同社はこれらの課題を解決するには、「Analytics:分析」「Bandwidth:高帯域幅」「Contents:コンテンツ」に関するソリューションが必要と考え、それぞれの頭文字を取った「ABC戦略」を発表している。

 「他社とは一線を画すエンタープライズクラスのソリューションを提供するのが基本的な考え。ソリューションの一部ではなく、完成形としてのソリューションを提供するのがポイントだ。また、ビッグデータには複数のアーキテクチャが必要。当社ではHadoop、Lustre、StorNext、StorageGRIDを採用したEシリーズと、Data ONTAPを採用したFASファミリーを用意し、ABCの3分野で複数のソリューションを用意している」(ハウ氏)。

 具体的に「Analytics」分野では、「ビッグデータから顧客の傾向を分析し顧客満足度を高めたり、不正検出、リスク分析、トレンド分析などのニーズが高まっている。ここでの課題は複雑なシステム設計、それなりの管理が必要となる点。当社では、この複雑さを軽減し速やかな導入を支援するため、『NetApp Open Solution for Hadoop』を提供する」(同氏)という。

 NetApp Open Solution for Hadoopは、“エンタープライズHadoop”を実現する導入ソリューションで、4Uに120/180TBのストレージノードを拡張して即座にデプロイできるHadoopクラスタが提供される。

「Analytics」分野の課題とソリューション

 「Bandwidth」分野では、HPCによる解析やビデオなどのリッチメディアに対応するため、高性能・大容量のソリューションを提供する。具体的には、「フルモーション・ビデオ・ストレージ・ソリューション」「メディアコンテンツ管理ソリューション」「地殻解析ソリューション」「ハイパフォーマンスLustreソリューション」を提供する。

 Lustreは、オープンソースのクラスタファイルシステムで、同社ではLustre導入アプライアンスを提供している。4U、60ディスク、高性能なディスクコントローラーを備え、Whamcloud社の製品をベースとしたファイルシステム管理ソフトや自動導入ソフトなどを同梱している。

「Bandwidth」分野の課題とソリューション

 「Content」分野では、「複雑な大規模リポジトリの運用をシンプルにしたい、増え続けているコンテンツを“無期限”に保持するためのポリシーを実現したいというニーズがある」(同氏)。そこで従来型ストレージシステムを超える大容量を実現するため、同社では「Data ONTAPエンタープライズ・コンテンツ・リポジトリ」と「StorageGRID分散コンテンツ・リポジトリ・ソリューション」を提供。スケールアウト型で、大量のデータを容易に管理する手法を実現している。

「Content」分野の課題とソリューション

 パートナー戦略を進め、オープンソースに積極的に取り組んでいるのが、最近のNetAppの特徴だ。同氏は「ソリューションの一部ではなく、それだけで完結するソリューションを提供するためには、パートナーとの協業は非常に重要になっている。クラウドやビッグデータの時代になってOSSプラットフォームの重要性も増しており、当社の姿勢としては、この分野でパートナーシップを深め、OSSプラットフォーム上でもさまざまなソリューションを実現していくことが基本となる」と説明している。

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