日商エレ、VDI事業を加速~導入支援やオールインワン製品新版など発売


 日商エレクトロニクス株式会社(以下、日商エレ)は8日、デスクトップ仮想化(VDI)の導入を支援する「VDIアセスメント&マイグレーション・ソリューション」、およびオールインワンパッケージ製品の最新版「VDI-in-a-box 4.1」の販売を開始した。


VDIアセスメント&マイグレーション・ソリューション

 VDIアセスメント&マイグレーション・ソリューションは、米LiquidwareLabs製品を活用したソリューション。企業のVDI移行において、コンピュータ資源のデータを的確に取得・分析する。

 アセスメントやデザイン、マイグレーション、ユーザーエクスペリエンスなどの機能により、VDIにおける的確なサイジングをはじめ、プロビジョニング作業を自動化することで初期コストや管理運用コストを低減する。また、導入後のユーザーとアプリケーションをひも付け、振る舞いやパフォーマンスを管理することで、ユーザーの使い勝手を向上するという。

 具体的には、1)Stratusphere Fit:アセスメント&デザイン、2)Profile Unity:マイグレーション、3)Stratusphere UX:ユーザーエクスペリエンス、という3つの機能を提供する。

 1)では、ユーザー個々の物理PCにおけるCPU利用率、アプリケーション、ネットワーク、ストレージのワークロードをモニタリングし、VDIに適したPCの格付けや既存環境で満足できるレベルにないユーザーを特定。加えて、VDI環境へ移行した前後のヘルスチェックを比較することで問題のある個所と原因を事前に把握し、VDI環境全体のパフォーマンスをシミュレーションする。仮想マシン全体のパフォーマンスのモニタリングだけでなく、個々のユーザーやアプリケーションごとにドリルダウンすることも可能という。

 2)では、Windows OS環境のユーザープロファイルとデータをエージェントレスでVDI環境に移行。アプリケーションのショートカット作成、ドライバのマッピング、プリンタインストール、Outlookのプロファイル作成、Office 2010のユーザー設定といったプロビジョニング作業も自動化し、管理負荷を低減する。

 3)では、デスクトップ環境のパフォーマンスをアプリケーションごと、ユーザーごとにモニタリングして、SALに満たないデスクトップを特定。ネットワーク・ストレージ・デスクトップの管理者ごとに適切なアラートを配信し、インシデント管理も実施する。


VDI-in-a-box 4.1

 一方のVDI-in-a-box 4.1は、VDIに必要なコネクションブローカー、ロードバランサ、動的デスクトッププロビジョニング、高可用性などを含む仮想デスクトップ機能をオールインワンで提供する、米KavizaのVDIソフトウェアアプライアンス。

 独自のグリッドテクノロジーにより高可用性や拡張性に優れ、ローカルストレージを利用するため、高価なSAN/NASなどの共有ストレージ不要なのが特徴。「Citrix HDX」に対応するため、社外からのリモートアクセスもストレスなく利用できるほか、各種USBデバイス、マルチメディア、リアルタイム音声なども利用できるという。

 新版では、「Citrix Access Gateway」を使ったシングルサインオン(SSO)に対応した。従来、社外から社内ネットワークへアクセスする際には複数のパスワード認証が必要だったが、SSOに対応することで一度のパスワード認証でアクセスが可能となる。

 なお、5月23日(米国時間)にCitrixがKavizaの買収が完了したことを発表した。日商エレでは2010年11月26日にKavizaと国内代理店契約を締結し販売してきたが、今回のCitrixによる買収で、大規模向けVDIの「Citrix XenDesktop」から、中小規模向けVDIの「VDI-in-a-box」まで幅広い提案が可能になったとし、VDIの展開を加速する考え。

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