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両備システムズ、札幌市と生成AIおよびAIエージェントを活用した旅費事務効率化の実証実験を実施
2026年6月24日 08:00
株式会社両備システムズは23日、北海道札幌市と官民連携事業として、生成AIおよびAIエージェントを活用した自治体の旅費事務を効率化する実証実験を、2025年12月上旬~2026年3月下旬に実施したと発表した。
実証では、両備システムズが提供する自治体特化型内部情報システム「公開羅針盤V4庶務事務システム」に試験的に組み込んだAI機能を利用し、旅費事務における削減可能な作業時間と規定順守率について評価した。その結果、処理時間短縮率は平均27.2%、規定順守率は98.1%という成果が得られたという。今後は、明らかになった課題の改善と他自治体でのAI適用を経て、公開羅針盤V4庶務事務システムへの実装を行い、職員の事務負担軽減と自治体DXの推進に貢献していくとしている。
両備システムズは実証実験の背景として、自治体の旅費事務は、自治体ごとに規定が異なるため、全国共通のシステムでは対応が難しいのが現状だと説明する。その結果、手作業による確認作業が残り、出張命令から行程作成・旅費計算・起案・承認(電子決裁)・精算までの多段階の承認フローが職員の負担となっているという。
札幌市では、全庁的な生成AI活用を進める中で、各部局に共通の事務で影響範囲の大きい旅費事務の効率化を検討していた。しかし、既存の生成AIサービスでは札幌市の旅費制度への対応が困難だったため、民間事業者と共同で活用方法を実証していくこととなった。
両備システムズは、札幌市が開設した民間事業者からの提案受付、事業化のコーディネートを担うワンストップ窓口「SAPPORO CO-CREATION GATE」を通じて「生成AIおよびAIエージェントの活用による行政内部事務(旅費事務)の効率化・高度化」というテーマに対して提案を行い、官民連携による実証実験を実施した。
実証では、公開羅針盤V4庶務事務システムの旅費事務支援機能に生成AIおよびAIエージェントを適用し、出張の条件(旅行者、日程、場所など)に応じた合理的な出張行程案の自動生成、出張行程に基づく旅費の自動計算および審査業務の効率化を行う旅費システムを構築した。
札幌市が選定した複数の職員により、公開羅針盤V4庶務事務システムを用いた出張行程の作成および承認の事務手続きを実施し、その作業時間および札幌市旅費規定の順守率を集計した。
従来の作業時間と公開羅針盤V4庶務事務システムを利用した場合の削減時間を比較したところ、平均時間は15.4分削減(平均削減率27.2%)され、作業時間が長い手続き(出張に不慣れな職員、普段と異なる出張先など)ほど削減効果が大きかった。一方、作業時間が25分以下の手続きにおいては、作業時間が増加したケースも確認されたという。
これらの結果から、生成AIおよびAIエージェントは、職員間の経験差を補完する有効な手段である一方で、出張条件や業務特性に応じた適用範囲の見極めが必要であることが分かったとしている。
また、札幌市旅費規定のうち、判断基準が明確であり、定型的に確認が可能な規定を対象に、AIの提案および審査内容が規定に沿っているかを職員が評価した。その結果、今回対象とした評価項目では、98.1%が規定に沿っていると判定された。
この結果から、生成AIおよびAIエージェントは、旅費規定に基づく確認作業を一定水準で支援できる可能性が示された。一方で、完全な精度には至らないことから、補助ツールとしての位置付けを前提とした運用ルールの整備が必要であるとしている。
両備システムズでは、他自治体の旅費規定においても同様の効果が得られるかを継続的に検証し、公開羅針盤V4庶務事務システムへの本実装を目指す。また、実証で得られた知見として、職員間の経験差に作業時間が左右される業務に対して高い適用効果が確認されたことから、旅費事務以外の行政内部事務についてもAIの適用を検討するとしている。
