シマンテック、システム復旧ソリューションを名称変更してラインアップ刷新

USBデバイスをリカバリディスクとして設定可能に


執行役員マーケティング本部長の石崎健一郎氏

 株式会社シマンテックは26日、物理および仮想環境の両方に最適なシステムリカバリを可能にするソリューション「Symantec System Recovery 2011」を、5月9日より販売開始すると発表した。

 新製品は、従来のシステム復旧ソリューション「Symantec Backup Exec System Recovery」から名称を変更し、ラインアップを刷新して新たに投入するもの。執行役員マーケティング本部長の石崎健一郎氏は、この背景について、「従来まで、大企業向けのNetBackup、中堅企業向けのBackup Exec、そして中小企業向けのBackup Exec System Recoveryという位置づけで、データ保護製品を展開してきた。ただ、実際の現場では、大企業がBackup Exec System Recoveryを小規模環境向けシステムリカバリツールとして導入するケースも多かった。そこで今回、こうしたニーズに対応するため、フォーカスエリアを中小企業だけでなく大企業まで拡大し、あわせて名称もSymantec System Recoveryへと変更した」と説明している。

 「Symantec System Recovery 2011」では、データもシステムも丸ごとバックアップし、障害時には簡単・高速にリストアする従来までの機能を継承。迅速な障害復旧を実現するとともに、構成の異なるハードウェアや仮想環境にも数分で簡単にリストアすることができる。今回、この基本機能に加え、Symantecリカバリディスク(SRD)を強化し、新たにUSBデバイスをSRDとして使用することが可能となった。

プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャの浅野百絵果氏USBドライブのローテーションシナリオ

 新しいウィザード機能を利用することで、USBデバイスをブート可能なリカバリディスクおよびバックアップストレージデバイスとして設定でき、バックアップとリカバリのためのオールインワンUSBデバイスを容易に作成することができる。プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャの浅野百絵果氏は、「USBデバイスをブートドライブに設定すれば、起動用ディスクを用意する必要もなく、バックアップからリストアまでを迅速に行うことができる。また、毎日異なるUSBデバイスにバックアップを行うなど、複数のUSBデバイスを活用したローテーションシナリオを設定することも可能で、障害発生時の復旧にも迅速かつ柔軟に対応できる」と、USBデバイスをバックアップおよびリカバリディスクに活用できるメリットは大きいという。

 さらに新製品では、カスタムSRD作成ウィザードを改善し、ISOイメージをカスタムリカバリディスクのソースとして選択することが可能となった。従来までは、物理的なメディアのみに限定されていたが、ISOイメージに対応したことで、カスタムSRD作成ウィザードの柔軟性を向上した。このほか、集中管理ツール「Symantec System Recovery Management Solution」のWindows Server 2008 R2 64ビット環境への対応や、追加プラットフォームとして最新のMicrosoft Windows、Linux、VMware、Microsoft Hyper-V、Citrix XenServerオペレーティングシステムとアプリケーションをサポートなどの機能強化を行っている。

 石崎氏は、「Symantec System Recovery 2011」の国内での販売ターゲットについて、「旧製品のSymantec Backup Exec System Recoveryは、国内市場で中小企業から大企業まで多くの導入実績をもっている。今回の新製品では、この既存ユーザーをベースにしながら、販売パートナーとの協力体制によって、まだバックアップツールを導入できていない中小企業の新規開拓に力を注いでいく。当社の調査によると、SMB市場の約半数の企業がデータの60%しかバックアップを実施しておらず、毎日バックアップをしている企業はたったの23%という結果が出ている。中小企業のバックアップ/リストア対応は不完全であるのが実情で、簡単バックアップと迅速なリストアを実現する新製品の潜在需要はかなり大きいはず」との考えを示した。

「Symantec System Recovery 2011」の製品ラインアップ

 税別価格は、Basic Editionがサーバーあたり9万7200円、Server Editionがサーバーあたり15万3800円、Virtual Editionが物理サーバーあたり43万7300円、Small Business Server Editionがサーバーあたり9万7200円、Linux Editionがサーバーあたり8万4900円、Desktop Editionがデスクトップあたり1万2700円。集中管理ツールのSymantec System Recovery Management Solutionは、Basic Editionを除くすべてのEditionで、無償で使用可能。また、価格には、初年度エッセンシャルサポート1年が含まれる。

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