シマンテック、「PureDisk」を統合した「Backup Exec 2010」「NetBackup 7」
システム規模に合わせた製品ラインアップ |
株式会社シマンテックは2月1日、バックアップ・リカバリ製品の新版「Backup Exec 2010」「NetBackup 7」を発表した。新版では重複排除機能を統合し、2009年に発表したストレージ戦略「重複排除をあらゆる場所で」を実現したほか、仮想化対応を強化したのが特徴。NetBackup 7は同日より、Backup Exec 2010は2月15日より提供を開始する。
■中堅規模向けのBackup Exec 2010
プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャの浅野百絵果氏 |
Backup Execは、中堅規模向けのバックアップ&リカバリソフト。社員規模100~1000人、売上規模50~150億円、サーバー台数3~100台、IT専任管理者1~2名の企業を想定し、Windowsサーバー向けに提供される。
新版では、「PureDisk」の重複排除機能と「Enterprise Vault」のアーカイブ機能(一部)を統合し、両機能ともオプションとして提供する。「これにより、簡易で高度なデータ保護を実現し、専任管理者が不在でも、Windowsサーバーに慣れていれば直感的に利用できる使いやすさを備えた」(プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャの浅野百絵果氏)という。
重複排除オプションでは、「クライアントでの重複排除」「メディアサーバーでの重複排除」を実現。これは従来、PureDiskを別途導入しなければできなかったことだ。さらに「OpenStorage API」を提供することで、「他社製アプライアンスでの重複排除」も実現し、「重複排除をあらゆる場所で」を具現化した。ユーザーは用途や環境に合わせて、どこで重複排除するかを選択できる。
アーカイブオプションでは、Enterprise Vaultのアーカイブ機能を一部統合。「同機能により、例えば、何年もアクセスされていないデータや退社した社員のファイルなど、消したいが消せないデータをExchange Serverやファイルサーバーから削除できるようになる」(浅野氏)という。
具体的には、1)ファイルやメールをバックアップ。2)別のストレージ(保管庫)にアーカイブ。3)アーカイブされたデータのオリジナルを自動削除。4)保管庫へアクセスして削除したデータを取り出すための専用インターフェイス「Backup Exec Retrieve」を提供する。
重複排除オプション。どこで重複排除するか、豊富な選択肢を用意 | アーカイブオプション。Enterprise Vaultの機能を一部統合 |
仮想化対応の強化では、主に「機能強化」「対応プラットフォームの拡充」「低価格化」を図った。
具体的には、仮想化環境における「Granular Recovery Technology(GRT)」を強化。ゲストOSのイメージを丸々バックアップし、そのデータから、Exchange Server/SQL Server/Active Directory単位のリカバリを実現した。「個々のメールボックス」「メール」「プライベート/パブリックフォルダ」「カレンダーアイテム」「タスク」「ユーザーアカウントや属性」「データベース」といった単位で迅速にリカバリできるという。また、仮想環境においてもゲストOS上、メディアサーバー上、どちらで重複排除するか選択可能となっている。
対応プラットフォームの拡充では、Windows Server 2008 R2(Hyper-V 2.0)、Windows 7、Exchange Server 2010、VMware vSphere 4.0、Lotus Domino 8.5に対応。低価格化では、ゲストOS無制限で利用できる仮想環境向けライセンスについて、VMware用を48万円から23万円に、Hyper-V用を37万円から23万円に値下げした。
ライセンス参考価格は、基本ライセンスが14万6500円/サーバー、重複排除オプションが29万3800円/サーバー、アーカイブオプションが11万7100円/サーバー、Exchangeメールボックスアーカイブオプションが2万8700円(10メールボックスあたり)。
【3/1訂正】初出時、アーカイブオプション価格を「11万6800円」としておりましたが、シマンテック側で「11万7100円」に価格変更したため、記事も修正いたしました。
仮想マシンの全体イメージからアプリケーションレベルのリカバリを実現 | 仮想環境においてもゲストOS上、メディアサーバー上、どちらで重複排除するか選択可能 | 対応プラットフォームの拡充 |
■大企業向けのNetBackup 7
プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャの石井明氏 |
一方のNetBackup 7は、大企業向けのバックアップ&リカバリソフト。対象は、社員規模500人以上、売上規模150億円以上、サーバー台数50台以上で、専任のバックアップチームがいるデータセンターなどに提供する。
Backup Exec 2010と同様に、PureDiskの重複排除が完全統合されたほか、VMware vSphere 4.0に対応。「VMwareとHyper-Vのイメージバックアップからインスタントファイルリカバリが実行可能で、VMwareのBlockレベルの増分バックアップ、Hyper-Vのファイルレベルでの増分バックアップに対応する。物理・仮想環境においては完全にシームレスにバックアップ方式に関係なく、重複排除することが可能」(プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャの石井明氏)とのこと。
Backup Exec 2010と異なるのは、Windows以外にUNIX/Linuxに対応する点、32TBまでのストレージ容量をカバーする点(Backup Exec 2010は16TBまで)、メディアサーバーを複数台並べて大規模な冗長構成が組める点、「OpsCenter」という管理業務支援ツールを備える点だ。
OpsCenterはマルチサイトを監視し、アラート対処などを支援するツール。バックアップ&リカバリについて単一のビューを提供するとともに、日々のバックアップ状況を俯瞰(ふかん)し、トレンドの分析や将来予測などが可能な高度分析機能「OpsCenter Analytics」も備えている。
ライセンス参考価格は62万円から。
NetBackup 7で仮想マシンの保護 | 管理ツールを搭載 |
2010/2/1 18:01