テクマトリックス、ソフトアーキテクチャ分析ツール「Lattix」最新版
Web分析レポート機能を大幅強化
システムエンジニアリング事業部 取締役事業部長の中島裕生氏 |
テクマトリックス株式会社は4月19日、米Lattix社が開発したソフトウェアアーキテクチャ分析ツールの最新バージョン「Lattix 6.5」日本語版を本日より販売開始すると発表した。出荷開始は、5月下旬を予定している。
「Lattix」は、多くの大学で研究されているプロセス分析手法「DSM」(Dependency Structure Matrix)を使ってシステムの構造と依存関係を可視化するアーキテクチャ分析ツール。Java、.NET、C/C++で開発されたソフトウェアや、Spring、Hibernateなどのフレームワーク、さらにはOracle、SQLなどのデータベース、UML/SysMLのモデルデータなどを解析し、その構成要素(サブシステムやモジュール、ファイル、関数など)の構造と依存関係を表形式(マトリクス)で可視化する。
「DSM」によるアーキテクチャの可視化 | 「DSM」を使った分析画面 |
新バージョンの発表にあたって、システムエンジニアリング事業部 取締役事業部長の中島裕生氏は、「Lattixは、ソフトウェア開発に携わる企業を中心に、グローバルで数多くの導入実績をもつアーキテクチャ分析ツール。日本市場では、発売当初からソースコードの相互依存性を分析するツールとして浸透しているが、最近では『DSM』の認知度も高まっており、今後は、ソースコードだけでなく、より広範囲なアーキテクチャの複雑性の分析にも活用されていくことが見込まれる。こうした国内でのニーズ拡大を受けて、今回、ActionScriptのサポートやWebアプリケーションによる分析レポートの提供など、さらに機能拡充した新バージョンをリリースする」と述べた。
具体的な新バージョンの特徴としては、新たにActionScriptをサポート。ActionScriptおよびFlex MXMLで作成されたswf/sfcアプリケーションの構造を、パッケージ、クラス、インターフェイス、メソッド、データメンバーなどさまざまな要素レベルで解析する。これにより、パッケージ間にまたがる相互依存の検出や要素間の影響範囲の特定が可能となった。
また新しいオプション製品として、Lattix Webアプリケーションを用意し、Webレポート機能を大幅に強化しているのも大きな特徴だ。Lattix Webアプリケーションを利用することで、Lattixの分析レポートリポジトリにWebブラウザ経由でアクセスできるようになった。リポジトリに収集され、蓄積された分析データを用い、プロジェクトの初期段階から現在までのアーキテクチャの変化や、アーキテクチャメトリクス値の変化、アーキテクチャ違反数の推移などを閲覧できる分析レポートを作成することが可能。さらに、プロジェクトに携わるすべての関係者が、Webブラウザを介してこれらの分析情報を共有することで、アーキテクチャの劣化を抑制することができる。
システムエンジニアリング事業部 ソフトウェアエンジニアリング営業部の福永一寛氏 | Lattix Webアプリケーションのレポートイメージ |
システムエンジニアリング事業部 ソフトウェアエンジニアリング営業部の福永一寛氏は、「従来のバージョンでは、Webブラウザ経由で詳細な分析レポートを作成し、情報共有することはできなかった。これによりプロジェクトマネージャは、例えば、プロダクトの品質が落ちてきた場合に、どの機能を追加したバージョンでアーキテクチャが乱れたのかを振り返り、アーキテクチャの改善にともなう作業を円滑に進めることができる」と、そのメリットを強調している。
このほかの機能強化点としては、アーキテクチャの品質を計測するメトリクスに、新た「依存度平均」「正規化累積依存度」を追加し、より多彩な分析を実現。また、レポート機能を強化し、大規模な要素レポート、大規模なパッケージレポートなど5つの新規レポート項目を追加した。さらに、パフォーマンスも向上しており、階層化されていない大規模システムに対する解析データ作成時のパフォーマンスと、パーティショニング実行時のパフォーマンスを改善した。
製品ラインアップは、GUI上で実施可能なすべての機能を利用できる「Lattix LDM」、プロジェクトの作成/保存など一部の機能が制限された「Lattix LDV」、プロジェクトの作成/更新、レポートの生成をコマンドラインで実行する「Lattix LDC」、分析レポートの蓄積とブラウザからの閲覧ができるアプリケーションセット「Lattix Repository Package」を用意。価格は問い合わせとなる。