シマンテックと富士通、戦略的グローバル・パートナーシップを強化

「Backup Exec」と「PRIMERGY」のセット販売など


シマンテック 代表取締役社長の河村浩明氏

 シマンテック株式会社と富士通株式会社は30日、協業強化を発表した。新たに2つの共同施策を展開する。

 1つ目は、シマンテックのバックアップソフト「Backup Exec」特別版を、富士通のPCサーバー「PRIMERGY」向けに提供し、富士通が「Backup Exec for PRIMERGY」の名称で、同日よりキャンペーン販売を開始する。

 「Backup Exec for PRIMERGY」は、Windows環境に最適なデータ保護を実現する製品。ハードウェアの「PRIMERGY」と合わせて提供することで、「導入を簡素化し、主にSMB市場へ訴求する」(シマンテック 代表取締役社長の河村浩明氏)。

 セット製品の特長は、ユーザーの用途に応じてライセンスの選択が可能な点。基本ライセンスとなる「Symantec Backup Exec 2010」のほか、SQL Server、Exchange Server、Oracleなど複数のアプリケーションエージェントライセンスから、必要なライセンスを自由に1つを選択できる。システム環境の変更に伴い、追加費用なしでライセンス交換も可能となっており、初期導入の簡素化に加えて、使用中のライセンスでも交換できる点が提携によるメリットとなる。

 保守については、富士通の「SupportDesk」でワンストップにサポート。キャンペーン価格は、12万8000円(税別)。12月17日より出荷を開始する。

 2つ目は、富士通のクラウドサービス「オンデマンド仮想システムサービス」に、シマンテックのエンドポイントセキュリティ製品「Symantec Endpoint Protection」を導入。両社が11月に締結した従量課金制の「Enterprise Service Provider」契約に基づき富士通へ提供され、今後、日本国内・海外市場に向けた富士通のクラウドサービスで採用される。シマンテックは富士通に対し、24時間365日の保守サービスを提供するほか、必要な技術支援を提供する方針。

 これらの施策は2月に米Symantecと富士通が交わした戦略的なグローバル・パートナーシップの一環でもあり、国内投入後は海外展開も見据える。両社は共同で市場導入計画の策定、共同マーケティング活動、販売推進活動に携わるほか、共同検証プログラムも開始する。また、シマンテックの米国研究施設(フロリダ州ヒースロー)に富士通のエンジニアを招へいし、製品・機能拡充の検討、βテスト、バグ修正を共同実施する。国内では2010年度中に全国のパートナー向けにワークショップなどを運営していく方針。

関連情報