国内IT市場は12兆3373億円、緩やかなプラス成長へ~IDC Japan予測
国内IT市場 投資額予測 2009年~2014年(出典:IDC Japan) |
IDC Japan株式会社は8日、国内製品別IT市場予測を発表した。これによると、2010年国内IT市場は12兆3373億円。前年比成長率0.6%で、2009年の前年比成長率マイナス11.2%から大幅に改善する見込みという。
国内IT市場を構成する「ハードウェア」「ITサービス」「パッケージソフトウェア」の3つの市場動向では、ハードウェア市場がマイナス基調だが、IFRS対応やクラウド構築、BA/BIのニーズなどを背景に、ITサービス市場およびパッケージソフトウェア市場がプラス基調に。国内IT市場全体の2009年~2014年における年間平均成長率は0.5%のプラス成長が予測され、2014年には全体で12兆5619億円になると見ている。
3つの市場を個別に見ると、2010年のハードウェア市場は5兆1606億円、前年比成長率2.1%で、2009年のマイナス17.6%から大幅改善となる。PCが7%を超えるプラス成長だったことが主因。ただし、ハードウェア市場はローエンド製品への需要シフトや市場の成熟化などのため、2011年以降はマイナス成長となり、2009年~2014年の年間平均成長率はマイナス1.7%、2014年の市場規模は4兆6345億円に落ち込む見込み。
2010年のパッケージソフトウェア市場は2兆2225億円、前年比成長率1.3%で、2009年のマイナス10.7%から改善。景気安定化に伴い、サーバーやPCの更改が立ち上がり、幅広いパッケージソフトウェア製品の需要が戻ってくるという。特にクラウド構築のニーズや、企業情報活用のためのBA/BAニーズを背景に市場が堅調に拡大。2009年~2014年の年間平均成長率はプラス2.3%で、2014年には2兆4615億円に達する見込み。
2010年のITサービス市場は4兆9541億円で、前年比成長率はマイナス1.3%と予測。2009年の前年比成長率マイナス3.9%からは改善となるがマイナスを脱するには至らない。ただし、IFRS案件やプライベートクラウド構築案件が活発化し、2009年~2014年の年間平均成長率はプラス1.7%、2014年には5兆4658億円に達すると見ている。
IDC Japanでは、国内IT市場は全体的に緩やかなプラス成長を予測しつつも、外需減速や地政学的リスクなどの外的要因から二番底の可能性を示唆。「ITベンダーは、二番底になった場合のビジネスプランを保険として用意しておくことが重要」と分析している。