シマンテック、レピュテーション技術を強化した「ノートン2011」


「ノートン インターネット セキュリティ 2011」のパッケージ
レピュテーション技術の概要

 株式会社シマンテックは、「ノートン」2011年版製品(以下、ノートン2011)を8月27日に発売する。ダウンロード版およびパッケージ版の価格はともに、総合セキュリティソフト「ノートン インターネット セキュリティ 2011」が6480円、ウイルス対策ソフト「ノートン アンチウイルス 2011」が4980円。ライセンス有効期間は1年間で、3台のPCまで利用できる。対応OSはWindows 7/Vista/XP。

 ノートン2011では、PC内のファイル情報を匿名で送信することに同意した約5800万人のノートンユーザーから収集した情報をもとに、ファイルやウェブサイトの安全性を評価する「レピュテーション技術」を強化。同技術は、ファイルがインストールされているPCの台数、ファイルの作成日時やダウンロード元、デジタル署名などの属性情報を集計し、独自のアルゴリズムで分析した上で安全性を評価している。

 具体的な機能強化点としては、ダウンロードするファイルの安全性を評価する「ダウンロードインサイト」の範囲を拡大。ノートン2010で対応していたInternet ExplorerとFirefoxに加えて、新たにSafariやGoogle Chrome、Operaなどのブラウザーのほか、各種メッセンジャーソフトやメールソフトなど、ダウンロード機能を有するソフト経由でダウンロードするファイルの安全性も評価するようになった。

 また、検索エンジンによる検索結果画面上で、リンク先ページの安全性を評価する「セーフウェブ」も強化し、危険と評価されたリンクをクリックした際に、ウェブページへの接続を遮断するようになった。

 パフォーマンス面では、PCを最適化するための情報を提供する「システムインサイト」を強化。起動中のアプリケーションを監視し、過度にCPUやメモリーを消費しているアプリケーションがある場合には、警告画面を表示するようになった。

 ノートンの管理コンソールも刷新し、画面下部に表示する世界地図において、世界各地でどのような脅威が発生しているかを見られるようになった。さらに、「ノートン オンラインバックアップ」や「ノートン オンライン ファミリー」など、同社が提供するオンラインサービスへのリンクも追加した。

ノートンの管理コンソール

 このほか、新たなマルウェア削除ツールとして、通常のウイルススキャンでは検出できないような、ゼロデイマルウェアや偽ウイルス対策ソフトの検出・削除に特化した「ノートンパワーイレイサー」を提供する。同ツールは、シマンテックのウェブサイトからダウンロード可能で、ノートンユーザー以外にも無償で提供する。

 さらに、 マルウェアに感染してしまった場合の対応としては、CD-ROMなどから起動できるPC復旧ツール「ノートンブータブルリカバリツール」を機能強化。起動用メディアとしてUSBメモリーにも対応したほか、パフォーマンスの改善、起動時間の短縮などを図った。

ノートン2011のテレビCMに「ネット犯罪者N」役で出演した成宮寛貴さん

 25日に開かれた会見でシマンテックの風間彩氏(日本/韓国リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャ)は、「ノートン2011は、過去のノートン製品史上初めて、世界に先駆けて日本で発売する」と述べ、米Symantecが日本を最重要市場として注力しているとアピールした。

 会見後には、東京・大手町の大手町メトロスクエアにおいて、ノートン2011のテレビCMに「ネット犯罪者N」役で出演した成宮寛貴さんが登場。「海外通販やSkype、メールなどで1日に3時間ほどインターネットを使う」という成宮さんは、「友人がウイルスに感染し、その対応に相当な時間を費やしていた」と話し、セキュリティ対策の必要性を訴えた。

 シマンテックは25日から27日まで、個人情報が売買されるブラックマーケット(闇市場)の認知を目的とした展示スペース「Black Market」を大手町メトロスクエアに設置。ネット犯罪の被害者が体験談を語る映像、ネット犯罪者のオフィスを再現したコーナーなどを展示する。今後は同様の展示スペースを全国主要都市で一般公開する。入場は無料。

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