インフォテリア、iPhone向けコンテンツ課金サービス「Handbook」を開始
企業などが気軽にコンテンツを販売できる仕組み
代表取締役社長兼CEOの平野洋一郎氏 |
インフォテリア株式会社は22日、スマートフォン向けコンテンツの配信・閲覧プラットフォーム「Handbook」の新サービスとして、企業・教育機関などがiPhone/iPod touch/iPad向けコンテンツを容易に有料で販売できる課金サービス「Handbookライブラリ」を発表した。
Handbookは、スマートフォン向けコンテンツを手軽に作成・配信・閲覧できるコンテンツ配信プラットフォーム。「Handbook Studio」というWebアプリケーションでコンテンツを作成・配信し、スマートフォンにインストールされた「Handbookアプリ」で閲覧できる。
Handbookアプリは、クローズドユース版とオープンユース版の2種類。前者ならコンテンツの公開対象範囲を社内・学内など特定ユーザーに限定でき、後者なら広く一般向けにコンテンツを公開できる。
Handbookの概要 | Handbookアプリはクローズドユース版とオープンユース版の2種類 |
これらは2009年6月に発表済みで、クローズドユース版では青山学院大学(講義資料を学生に配信)や、アイエスエフネット(社内情報を客先常駐社員に配信)での事例、オープンユース版では東京すしアカデミー(お寿司の手軽な作り方を紹介する無料コンテンツを配信)での事例などがすでに存在する。
利用例:社内資料閲覧ツールとして | 利用例:お客さまへの製品紹介ツールとして |
青山学院大学で実際に学生に配布しているコンテンツ | 東京すしアカデミーの無料コンテンツ |
今回のHandbookライブラリは、このオープンユース版に課金の仕組みを提供するもの。企業や教育機関が独自に作成したコンテンツ(PDFなど)を容易に販売できるようになる。
Handbook Studioでコンテンツを作成した後、「販売申請」というメニューを選び、販売金額(無料または115円から11万5000円までの85段階)と発売時期を設定する。有料とした場合は販売申請を受けたインフォテリアがAppleへ審査手続きをし、パスした段階でライブラリに登録される。後はHandbookアプリをiPhoneなどにインストールしたエンドユーザーがコンテンツを購入できるという仕組みだ。
コンテンツの作成は文章、画像、動画を張り付けていく直感的な操作で行え、クイズやアンケートも作成できるようになっている。アプリ化しなくても、コンテンツが簡単に作れて販売できる手軽さが特長となる。
Handbookライブラリ利用の流れ | ライブラリに登録されたコンテンツをHandbookアプリで購入・ダウンロード |
Handbook Studioではクイズやアンケートも作成可能 |
代表取締役社長兼CEOの平野洋一郎氏は、「書籍を忠実に再現することをコンセプトとする電子書籍とは、映像やクイズなど紙にはないインタラクティブな表現を実現できる点が異なる。また、出版社や制作会社を通さずに企業や教育機関が独自のコンテンツを販売できるため、電子出版のロングテール化が可能となる」と説明する。
現状、ライブラリには審査・手続き中のも含め、「クイズ基礎物理(著作名:Photonics World Consortium、価格:350円)」、「ITパスポート試験 直前対策(富士通FOM、450円)」、「プロバスケ選手に学ぶ bjリーグクリニック Handbook版 2【シュート編】(フラッグ、115円)」、「awai浴衣の着方教室和の学校(awai、無料)」、「中央大学(中央大学、無料)」などのコンテンツが登録されている。
クイズ基礎物理 | ITパスポート試験 直前対策 |
awai浴衣の着方教室和の学校 | 中央大学 |
Handbook Studio、Handbookアプリ、Handbookライブラリの利用料金は、21万円/年(コンテンツ登録容量500MBまで)から。「これだけの仕組みを即座に利用できて、月額わずか1万7500円」(同社)なのが特長。さらに有料コンテンツの売上配分は、著作者が50%、App Storeが30%、インフォテリアが20%と、半分が著作者に還元されるのも魅力だ。
まずはiPhone/iPod touch向けに提供を開始し、順次iPad向けも用意する予定。