レッドハット、企業向けポータル基盤「JBoss Enterprise Portal Platform 5.0」


 レッドハット株式会社は14日、企業向けポータル基盤の新版「JBoss Enterprise Portal Platform 5.0」を提供開始すると発表した。同日よりダウンロード提供を開始している。

 JBoss Enterprise Portal Platformは、リッチなWebベースアプリケーションの構築・実装を行うためのソフトウェアで、新版では、オープンソースのコンテンツ管理システムベンダーである仏eXo Platformの技術を取り込んでいる。これによって、標準に準拠したポートレットだけでなく、Google Gadgetや既存WebシステムなどのさまざまなWebコンテンツを、ドラッグ&ドロップ操作だけで取り込み、新しいポータルサイトを簡単にデザインできるようになったという。

 また、既存の開発モデルを容易に取り込める「JBoss Portlet Bridge 2.0」の技術を統合。ポートレットの開発には、JSFやSeam、RichFacesなどの多様な開発フレームワーク技術を利用可能で、開発者が使い慣れた開発フレームワークを使えるようになったことから、生産性の向上が見込めるとしている。

 加えて、「JBoss Enterprise Application Platform 5.0」の最新版が基盤として採用しているので、企業ポータル基盤としてのスケーラビリティ、拡張性、信頼性を確保。JBoss CacheやエンタープライズWebサービスなどの拡張機能を最大限に利用できるほか、基盤そのもののカスタマイズを容易に行える「Microcontainerアーキテクチャ」のメリットを生かし、基盤のスリム化なども自由に設定できるようになっている。

 オープンソース製品のため、ライセンス費用は無償。テクニカルサポート、製品アップグレード、修正プログラム提供などを受けられるサブスクリプションは、4CPUあたり年間273万8000円(税別)から。

 なお今回は同時に、eXo Platformより技術提供されているJBoss Enterprise Portal Platform Site Publisherが、技術評価目的のプレビュー版として提供された。Webコンテンツの作成、配信、インライン編集、コンテンツテンプレート、コンテンツ検索などの豊富なWebコンテンツの作成と管理機能が提供され、これらの機能は、既に国際化対応されているという。

 こちらは、JBoss Enterprise Portal Platformのサブスクリプションを持つユーザーに対して、無償提供されるが、プレビュー版であるため、現時点では製品サポートは提供されない。正式版リリースは、2010年中を予定している。

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(石井 一志)
2010/7/14 14:54