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NICPと日本IBM、「IBM Bob」の活用でExcelマクロの可視化とWebアプリへの再構築を実施
2026年8月20日 06:30
日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は19日、エヌアイシー・パートナーズ株式会社(以下、NICP)が、日本IBMが提供するAIエージェント駆動のエンタープライズ向け開発支援パートナー「IBM Bob」を活用し、社内で利用していた見積もり作成用Excelマクロを対象に、業務ロジックの可視化およびWebアプリケーションの再構築を実施したと発表した。
日本IBMとNICPは導入の背景として、企業の現場では見積もり作成や申請処理、集計作業、構成支援など、さまざまな業務を支えるExcelマクロや業務ツールが活用されているが、これらの多くは現場主導で開発・改修が繰り返されてきたため、仕様書や設計書が十分に整備されていないケースも少なくないと指摘する。また、こうした状況では、担当者の異動や退職によって保守・改修が困難になったり、機能追加やシステム刷新の際に既存ロジックの解析に多くの工数を要したりする課題が発生しているという。
NICPにおいても、見積もり作成支援に利用していたExcelマクロについて、保守性や継続利用の観点から改善の必要性を認識していた。長年の運用や改修を通じて蓄積された業務ロジックの中には、仕様書だけでは把握が難しいものもあり、内容の理解や改修時には作成者や担当者の知見に依存する側面があった。
そこで、NICPは、IBM Bobの分析・可視化機能やエンタープライズ環境での運用性を評価し、日本IBMとともに、自社環境を用いたクライアント・ゼロとして、IBM Bobを用いた既存業務資産の可視化と再構築に取り組んだ。
NICPは、見積もり算出に利用していたExcelマクロをIBM Bobに取り込み、VBAコードの分析と業務ロジックの整理を実施した。IBM Bobはコード構造や処理内容、データ構造を分析し、業務理解を支援する仕様情報やドキュメントを生成する。担当者は生成された内容をレビューしながら既存仕様を確認し、業務ロジックの整理を進めた。
今回の取り組みでは、従来は平均1~3日程度を要していた仕様把握について、およそ30分で全体像を把握することができたという。担当者の経験に基づく従来の想定所要時間との比較において、仕様把握に要する時間を従来比約95%削減した。
さらに、整理した仕様をもとに、IBM Bobの支援を受けながらWebアプリケーションへの再構築を行った。開発工程では、生成された成果物に対して担当者がレビューとテストを実施しながら改善を進めた。
プロジェクトでは、移行可否検討、実装、テスト、パフォーマンス・チューニング、ドキュメント作成を含む工程を実施した。担当者による事前見積もりでは約6週間を要すると想定されていた同等の作業について、IBM Bob活用時は約2.5日で完了し、開発工程の効率化を確認した。
また、IBM Bobとの対話を通じて必要な修正を行い、現在は業務利用可能なWebアプリケーションとして運用している。これにより、ブラウザーベースでの利用に加え、見積もりデータの蓄積・検索や過去実績の参照・再利用が可能となり、将来的な機能追加や保守を効率的に行うための基盤を整備した。
両社は今回の取り組みを通じて、生成AIはコード生成を支援するだけでなく、既存システムに蓄積された業務知識や業務ロジックの理解・可視化を支援する手段として有効であることが示されたと説明する。特に、属人化しやすい業務資産において、業務内容や処理ロジックを可視化し、関係者間で共有可能な形に整理できることを確認したという。
また、生成AIが分析や成果物生成を担い、人がレビューや判断を行うことで、業務要件との整合性や品質を確保しながら、既存資産の理解から再構築までを効率的に進められることを確認した。今回の事例は、ブラックボックス化した業務資産の理解と再活用に向けた実践事例として、生成AIを活用した既存業務資産の可視化および再構築の有効なアプローチを示すものとなったとしている。
NICPと日本IBMは、今回の実践を通じて得られた知見をもとに、企業内に蓄積された既存業務資産の理解・可視化・再構築における生成AI活用を推進していく。今後も、生成AIを活用した業務資産の再活用や業務改善を支援し、顧客の業務変革に貢献していくとしている。
