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NEC、5GのSub6GHz帯向けにMassive MIMO技術を搭載した新たな基地局装置・無線機を開発

 日本電気株式会社(以下、NEC)は23日、5GのSub6GHz帯向けにMassive MIMO技術を搭載した、新たな基地局装置・無線機(RU:Radio Unit)を開発したと発表した。新装置は現行のアンテナ一体型RUの後継機で、性能評価などを経て2026年度上期に提供開始を予定する。

 NECは2020年以降、5万台以上のMassive MIMO装置を国内外に出荷しており、同分野における最先端の技術力と豊富な実績を有している。新装置は、増加する通信トラフィックの需要と省エネルギー化に向けた社会的要請に対応するため、アップリンク/ダウンリンク(送受信)双方のスループットを大幅に向上するとともに、小型・軽量化と省電力化を実現した。さらに、NECの仮想化基地局(以下、vRAN)と組み合わせることで基地局設置場所の自由度を向上し、事業者のトータルコスト削減に貢献する。

新たな5G基地局装置・無線機(Massive MIMO装置)前面
新たな5G基地局装置・無線機(Massive MIMO装置)側面

 新装置では、複数のアンテナを活用して同時に複数の端末と通信するMU-MIMO(マルチユーザーMIMO)技術と、端末に対して指向性の高いビームをリアルタイムで成形する技術を活用し、移動速度が速い端末や混雑環境下でも安定した高速通信を提供する。具体的には、シミュレーションの結果、NECの現行機と比べて平均ユーザースループットはアップリンクで約48%、ダウンリンクで約54%向上した。さらにソフトウェアのアップグレードにより、アップリンクは約55%まで向上する見込みだという。

 消費電力については、現行機と比べて通常稼働時で約42%削減となる315W、ピーク稼働時で約30%の削減となる630W以下を実現し、運用コストと環境負荷の削減に貢献する。またサイズは、小型部品やファンレス設計などの採用により、体積は約23%削減して23.6L以下、重量は約33%削減して16kg以下とし、小型化・軽量化を実現した。これにより現場での取り付け作業が一人で可能となり、設置工数の削減に貢献する。

 さらに、NECのvRANとの連携では、ソフトウェアによる柔軟な通信遅延の制御により、RUと、データセンターや局舎などに設置する制御装置(DU)とのフロントホール距離を、現行機の30kmから最大40kmまで延長する。距離延長に伴うスループットへの影響を最小限に抑えながら、基地局設置場所の自由度を拡大する。また、通信需要の変動に応じ、RUや光伝送の経路などの機動的な配備を可能とし、CAPEX(資本的支出)とOPEX(事業運営費)双方の最適化を後押しする。

 今後NECは、通信事業者と連携して性能評価などを進め、2026年度上期の国内提供を目指すとともに、世界各地域の規格・要求に対応した開発を進め、2026年度下期に海外向け装置の提供開始を目指すとしている。