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NTTドコモとNEC、オープンRANの海外展開に向け合弁会社「OREX SAI」を設立

 株式会社NTTドコモと日本電気株式会社(以下、NEC)は26日、オープンRANの海外展開の本格化に向け、「OREX Packages」を提供する合弁会社「株式会社OREX SAI」を4月1日(予定)に設立すると発表した。

 NTTドコモは、2018年2月に世界の主要な通信事業者とO-RAN ALLIANCEを設立し、2020年3月には世界で初めて全国規模でオープンRANの5Gサービスを開始した。また、2023年2月には「OREX」ブランドを立ち上げ、海外通信事業者の実証を支援するなど、モバイルネットワークのオープン化に向けて取り組んでいる。

 NECは、国内外の通信事業者向けにオープンRANの納入実績があり、最近ではNTTドコモの5G無線アクセスネットワークにおいて、全国商用サービスの仮想化基地局(vRAN)ベンダーの一社に選定されている。 また、世界のさまざまな国・地域で通信インフラ構築の豊富なフットプリントがあり、グローバルにおけるSIケイパビリティを保有している。

 両社はこれまで、OREX PARTNERSと共に、オープンRANの実現に向けて取り組んできたが、本格的な海外展開のフェーズを迎え、現地での製品やサービスの提供体制を整えることが課題だったと説明。NTTドコモが培ってきたオープンRANのノウハウと、NECが保有する海外のフットプリントやグローバルにおけるSIケイパビリティを活用することで、迅速に海外の事業基盤を整備できるため、オープンRAN事業に特化した合弁会社の設立に至ったとしている。

 新会社のOREX SAIは、OREX PARTNERSからオープンRANの構築に必要なあらゆるネットワーク機器やソフトウェアなどを調達、システムの動作検証をした上で、それぞれの通信事業者の要望に応じた、最適なモバイルネットワークを企画から構築、保守・運用までを含めたフルスタックでのサービスを、「OREX Packages」として提供する。

 OREX SAIは、OREX PARTNERSと連携し、通信事業者の要望に合わせた最適な製品、サービスを提供。同事業を通じて高品質、低コスト、低消費電力のオープンRANの早期普及を実現するとともに、世界中のパートナーとの連携を強化し、活発でオープンなエコシステムの創出に貢献していくと説明。加えて、NTTグループが推進するIOWN構想におけるオールフォトニクスネットワークの伝送区間への適用、光電融合デバイスを搭載した低消費電力サーバーのネットワーク機器への活用、およびコグニティブファウンデーションとの連携などを進めていくとしている。