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ソフトバンクとSynapSpark、設備データなどを活用して運営業務を最適化するビルOS「synapsmart」を提供

 ソフトバンク株式会社とSynapSpark株式会社は9日、データを活用して自律的に進化するスマートビル「Autonomous Building」の実現に向けて、その基盤となるビル運営業務の最適化を可能にするデータ連携基盤(ビルOS)「synapsmart」を2026年3月に提供開始すると発表した。

 synapsmartは、ソフトバンクが持つICTやデータ基盤に関する技術や、ソフトバンク本社が入居する「東京ポートシティ竹芝」でのスマートシティの取り組みを通して得た知見に加えて、スマートビルの構築支援などを行うグループ会社のSynapSparkが持つ、建築設計と都市開発の専門知識やビル設備・運営に関するノウハウを生かして開発したビルOSソリューション。

 ビル内に設置された空調や照明、防犯カメラ、センサーなどの設備データに加えて、人流や環境データなどのIoTデータを自動で収集して一元的に管理する。ビルの管理者は、データが可視化された管理画面でリアルタイムにビル全体の状況を把握でき、データに基づいて照明・空調の制御や設備機器の遠隔制御など、ビルの最適な運用に生かせる。また、セキュリティ基準に準拠した信頼性の高いクラウド基盤上で運用することで、設備やセンサーの増減や複数ビルの一元管理などにも柔軟に対応できるほか、システムや機能の更新も遠隔で迅速に実施可能になる。

 ビル内の設備トラブルやセンサーからの警報を、あらかじめ設定した重要度レベルに基づいて判別し、緊急性の高いアラートをオーナーやビル管理者などの関係者へ速やかに通知する。スマートフォンへの通知も可能で、管理室などにいなくても異常を検知できる。今後はスマートフォンから管理画面にアクセスできるようになり、遠隔での監視や制御にも対応する予定だ。

 また、エネルギー使用量やCO2排出量を管理画面上で可視化する。エネルギー使用量を週次・月次・年次単位でレポートにでき、環境報告書などにも利用できる。複数のビルのデータを横断的に集計することもでき、脱炭素やコスト削減に向けた取り組みの分析にも活用できる。

 これらの機能に加えて、今後はAIを活用した分析や予測機能を搭載することで、これまで属人化されていた業務や意思決定の標準化を図る。また、LINEミニアプリをはじめとしたさまざまなアプリケーションとの連携により、運用のさらなる効率化・高度化を推進する。さらに、地域の防災情報や交通情報などの外部データとの連携も進めて、新たな価値の創出を目指す。

 ソフトバンクは法人の顧客向けにsynapsmartを提供し、SynapSparkは販売活動に加えて導入に伴う構築・運用支援を一貫して担当することで、スマートビル化を推進する。ソフトバンクとSynapSparkは今後、従来のビルでは対応が難しい課題の解決やさらなる効率化を目指して、さまざまな取り組みを推進していくとしている。