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インフォマティカ、信頼性の高いデータによるエンタープライズ向け生成AIの加速に向けマイクロソフトとの連携を強化
2025年11月26日 16:26
米Informatica(以下、インフォマティカ)は現地時間19日、米Microsoft(以下、マイクロソフト)との戦略的イノベーションを発表した。この発表は、マイクロソフトの年次カンファレンス「Microsoft Ignite 2025」で行われ、インフォマティカの Intelligent Data Management Cloud(IDMC)プラットフォームと、マイクロソフトのエンタープライズ向けエージェント型AIプラットフォームであるMicrosoft Fabricを統合することを明らかにした。
インフォマティカとマイクロソフトは両社の連携により、各種業界の企業がエージェント型AIソリューションを導入する中で、ガバナンスが効いた高品質なデータで構築されたAIエージェントをシームレスに構築・実装できるようになると説明。これにより、信頼性とコンプライアンスを維持しつつ、大規模なAI導入を加速させられるとしている。
Ignite 2025で発表された内容のうち、Foundry Agent Service向けのインフォマティカMCPサーバーにより、FoundryでAIエージェントを構築する顧客は、業界標準のModel Context Protocol(MCP)を使用して、インフォマティカのIntelligent Data Management Cloudから信頼性の高いデータに直接接続できるようになった。この統合により、エージェントはインフォマティカのCloud Data Governance and Catalog、Data Quality、Master Data Managementといったサービスを、安全かつほぼリアルタイムで利用できる。
インフォマティカはまた、Foundry向けの新たなエージェント設計図と、Foundry上でエンタープライズ対応アプリケーションおよびエージェントの開発を加速するために設計された、新たに構築済みの生成AIレシピのライブラリを発表した。これには、Simple React AgentやFabric搭載の多機能コール対応エージェント、さらにローン処理や自動車保険請求処理といった業界特化型のFabricレシピが含まれ、いずれもFoundryとインフォマティカのデータ管理基盤を活用している。これらのレシピは、顧客がエンタープライズ向け生成AIソリューションの設定、構築、接続、管理、オーケストレーション、実装を加速できるよう支援する。
インフォマティカのインテリジェントなメタデータを基盤とするプラットフォームである「CLAIRE AIエンジン」は、Foundryを統合し、データ統合、品質管理、ガバナンス、マスターデータ管理(MDM)などのサービス全体で高度な推論を提供する。CLAIREは現在、米国および欧州のMicrosoft Azureリージョンでネイティブに利用可能になり、顧客はコンプライアンス要件を満たしながら、データをより身近な場所で処理できるようになる。
さらに、インフォマティカは、Apache Icebergテーブル形式を基盤とするMicrosoft OneLakeテーブルの読み取りおよび書き込みのサポートも発表した。これにより、データ資産全体の統合、保護、アクセスが容易になる。インフォマティカによるMicrosoft OneLakeおよびApache Icebergとの統合は、オープンなデータエコシステムとシームレスな相互運用性への取り組みを強化するものだとしている。