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富士フイルムビジネスイノベーション、「DocuWorks」と生成AIプラットフォーム「neoAI Chat」連携
2025年10月7日 13:07
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は6日、生成AI技術に特化したソリューションを提供する株式会社neoAIとの技術提携による第一弾として、ドキュメントハンドリングソフト「DocuWorks」とneoAIが提供する企業向け生成AIプラットフォーム「neoAI Chat」との連携を10月8日に開始すると発表した。
DocuWorksは、PC上に電子の机を再現する「DocuWorks Desk」と、その机上に並べたDocuWorks文書を紙のように編集・加工するツール「DocuWorks Viewer」で構成された、ドキュメントハンドリングソフト。
今回の連携により、neoAI ChatがDocuWorksファイルを読み取れるようになる。アップロードされたファイルはOCR処理によって文字情報が抽出され、neoAIが開発したRAG(Retrieval-Augmented Generation)機能により、生成AIが文書内容を理解する。これにより、企業内に蓄積されたデータをもとにした情報探索の高度化や、ドキュメント活用の効率化、業務プロセス支援の強化など、企業全体の生産性向上に貢献する。
富士フイルムビジネスイノベーションでは、2025年4月にneoAIと販売・技術提携に向けた協議を開始する基本合意書を締結し、実証実験や技術検証を通じて、生成AIを活用したソリューション提供の可能性を検討してきた。
実証実験の例として、九州電力株式会社では工事仕様書や購入仕様書など工事関連資料をDocuWorksファイルで管理しており、工事資料を作成する際にはneoAI Chatを活用していたが、過去に蓄積されたDocuWorksファイルの内容を参照するには、neoAI Chatに取り込めるファイル形式への変換が必要で、作業時間と手間を要していたという。今回の連携により、DocuWorksファイルを直接neoAI Chatにアップロードできるようになったことで、工事資料作成にかかっていた工数を削減できたという。
また、みらいコンサルティンググループでは、給与計算や税務申告といったアウトソーシング業務においてDocuWorksを活用し、書類の一元管理を行っている。給与計算業務では、明細をDocuWorks上で確認し、給与規定などの関連資料と照合する作業が発生するが、人手による確認作業に多大な工数がかかっていることが課題となっていた。今回、neoAI Chatを活用することで、取り込んだDocuWorksファイルから生成AIが必要なデータを参照し、確認作業のチェックポイントを提示し、初期の確認作業を自動化することで、確認作業にかかる工数を約40%削減し、大幅な業務効率化を実現したという。
富士フイルムビジネスイノベーションでは今後も、DocuWorksをはじめとした商品・サービスと外部の先進技術との連携を通じて、AIを活用した新たな機能を順次開発・提供し、DX推進と業務プロセスの革新に貢献していくとしている。