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Salesforce、AIエージェント管理ソリューション「MuleSoft Agent Fabric」を発表
2025年10月7日 06:30
米Salesforceは現地時間9月25日、管理されていないAIエージェントを安全でインテリジェントなネットワークへと変革する新たなソリューション「MuleSoft Agent Fabric」を発表した。
MuleSoft Agent Fabricは、構築する場所を問わず、AIエージェントをカタログ化し、オーケストレーション、ガバナンス、監視を一元的に実現するソリューション。企業の分散したデジタル労働力の連携基盤として機能し、AIエージェントのスムーズなコラボレーションを実現するとともに、信頼性の高いエージェントネットワークの構築を可能にする。
例えば、小売企業で在庫を追跡するAIエージェントや、価格を更新するAIエージェント、不正を検知するAIエージェントが存在している場合、これまではそれぞれが連携しないまま動いていたが、MuleSoft Agent Fabricを通じてこれらのAIエージェントを連携できるようになる。これにより、在庫が少なくなると自動的に価格が調整され、不正チェックがリアルタイムで実行されるといった動作が可能になる。また、全体のプロセスを通じてエージェント間の通信には機密情報漏えいを防止する各種ポリシーやガードレールが適用されるため、データは安全に保護される。
また、MuleSoft Agent Fabricは、顧客の多様なAIエージェント環境を統合し管理するための4つの機能を提供し、これらを連携させることでエージェンティックエンタープライズを実現する。
MuleSoft Agent Registryは、MCP(Model Context Protocol)やA2A(Agent2Agent)サーバーを含むあらゆるAIエージェントやツールを登録し、開発者や他のAIエージェントによる検出を可能にする中心的なカタログを提供する。これにより、あらゆるAIアセットを容易に検出、再利用し、ワークフローに組み込むことが可能となり、企業は重複を回避し、提供を加速できる。
MuleSoft Agent Brokerは、AIエージェントやツールをビジネス中心のドメインに整理し、タスクを動的にルーティングするインテリジェントなルーティングサービスを提供する。顧客が選択したLLM(大規模言語モデル)を基盤として、A2AやMCPを通じて接続することで、複雑なマルチステップのプロセスであっても多様なAIエージェントやシステム間でシームレスに実行できる。
MuleSoft Agent Governanceは、エンタープライズグレードのガードレールを提供し、あらゆるAIエージェントのやり取りに対してセキュリティ、コンプライアンス、ポリシー管理を適用する。これにより、組織は安全にAI導入を拡大でき、あらゆるアクションが一貫性があり安全かつ企業および規制要件に沿ったものであることを担保できる。
MuleSoft Agent Visualizerは、ITチームにAIエージェント間の関係性を示す動的なマップを提供し、AIエージェントがどのように接続され、相互作用し、動作するかを可視化する。ブラックボックス化されたAIを可観測性のあるシステムに変えることで、パフォーマンスの最適化、障害の防止、エージェンティックワークフォースへの信頼構築に必要なインサイトを提供する。