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OKI、医療・流通など紙の印刷物需要が大きい業種向けに7年保証のLEDプリンター6機種を発売
2025年9月5日 06:30
沖電気工業株式会社(以下、OKI)は4日、依然として紙の印刷物需要が大きい医療・流通・公共分野をターゲットとしたプリンター「COREFIDO EXシリーズ」6機種を販売開始した。
オフィス用プリンターの需要は減少しているものの、医療や流通といった特定マーケットでは微減にとどまっていることから、特定マーケットのニーズに応えた新製品を投入する。
「需要があるマーケットでは、故障せず長く使える、万が一の時でもすぐに復旧するなど、安心して使える製品であることが大きなポイントと考える。そこで、高耐久・安定稼働、セルフメンテナンス機能を持つ当社のLEDプリンター『COREFIDO EXシリーズ』は7年間無償保証とする」(OKI 執行役員兼コンポーネントプロダクツ事業部長の井上崇氏)。
なお、OKIはリコー、東芝テックとともに、複合機・プリンター等の開発・生産を担う合弁会社エトリアに参画することを2025年2月に発表しているが、今回の新製品はOKIが独自に開発した製品となる。
今回発売するのは、COREFIDO EXシリーズのA4モノクロLEDプリンター「COREFIDO B433dn」(9万200円)、「COREFIDO B513dn」(10万7800円)、A4カラーLEDプリンター「COREFIDO C651dnw」(19万5800円)、A3モノクロLEDプリンター「COREFIDO B833dn」(16万2800円)、「COREFIDO B843dn」(18万4800円)、「COREFIDO B843dnt」(21万7800円)の6機種(価格は税込み)。
A4モノクロLEDプリンターのみ10月下旬、それ以外の製品はすべて11月上旬の出荷開始予定となっている。6機種合計で、年間3万台の販売を目標とする。
「COREFIDOシリーズは、2008年に最初の製品を投入し17年の歴史を持つ。保守費、運用費、ダウンタイム削減に取り組んできたが、今回の新製品は7年間無償保証製品となった。これからのOKIのLEDプリンターのスタンダードは7年間保証となる」(井上執行役員)。
5年保証では20万ページの印刷を想定していたが、7年では60万ページの印刷を行うと試算。環境試験については、7年より長い10年間に該当する環境試験を実施し、機能、品質に問題が起こらないことを確認した。耐久試験については、90万ページを実際に印刷し、機能・機構が正常に動作することを確認している。
また、基本的なメンテナンスは、顧客自身で簡単に対応するセルフメンテナンスを推奨していることから、新製品では、本体サイズは従来機と同じサイズをキープしながら、メンテナンススペース(メンテナンスも考慮した際に設置に必要なスペース)を19%削減した。
フリップトップ構造を採用し、トップカバー開閉に必要な上部空間を大幅に圧縮することに成功。加えて、トナー交換、定着器交換、紙詰まり除去作業のいずれもフルフロントアクセスで作業ができるようにしたことで、セルフメンテナンス作業がやりやすくなっている。
さらに、メンテナンスだけでなく設置場所にも考慮しており、省エネ性能、吸排気効率についても設置マージンを削減する改善を実施。設置に必要なスペースが従来製品と比較して53%減となったことで、現場の設置レイアウトの自由度が向上した。
印刷速度も向上し、ウォームアップ時間は17秒から12秒に、ファースト印刷時間は4.5秒から4.1秒へと短縮された。また、新たに低温待機モードが追加され、省電力状態から1枚目を印刷するまでに21.5秒かかっていたものが10.9秒に短縮された。
ユーザビリティ面では、NFC Setting Toolに対応したことで、キッティングにかかる時間が1台あたり10分から2分へと短縮。有線LANを2ポート搭載でき、6つのOSへの対応、Adobe純正PSへの対応を実現している。
なお、今回提供するモデルのうち、A4モノクロプリンターは、コンパクトなB433dnと、連続印刷速度を向上し大容量給紙に対応したB513dnから選択できる。
A4カラープリンターはC651dnwの1機種。A3モノクロプリンターは、コンパクトモデルのB833dn、大容量給紙と大容量トナーに対応したB843dn、B843dnに増設トレイをセットにした機種のB843dntから選択可能だ。
今回、特定業種にフォーカスしていることから、プロモーションも以前から一部見直しを行い、カタログやホームページを刷新し、OKIを採用することで現場にもたらすメリットを伝える内容としていく。また、各業種における“プリンターあるある”を紹介する動画をYouTubeで公開し、フォーカスしているターゲットに向けて、新製品の有用性をアピールしていく。
なお今回の製品では、エトリアが提供するプリンターエンジン等は採用していない。今後については、「状況を見て判断していきたい」(井上執行役員)としている。