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SCゼウス、日本第1号データセンター「Zeus OSA1」を大阪で着工
AI需要に向け液冷・最大130kWラックに対応
2025年12月4日 09:00
シンガポールを拠点とするSC Zeus Data Centers(以下、SCゼウス)は3日、日本第1号プロジェクトとなるデータセンター「Zeus OSA1」を大阪市内で着工したと発表した。同プロジェクトは2フェーズで構築され、最終的に総ITロード70MWを提供する計画で、関西電力からの100MWの受電枠により供給基盤を確保している。
Zeus OSA1は、1万3957㎡の準工業地域に位置し、大阪中心部のIXや主要データセンター群へのアクセスに優れた立地に開発される。この立地特性を生かし、増大するAI・クラウド需要に対応する、西日本の主要デジタルインフラ拠点となることが期待されるとしている。
AIワークロードの高度化に伴い、Zeus OSA1は液冷(Direct-to-Chipを含む)に完全対応した冷却アーキテクチャーを採用し、ラック当たり最大130kWの高電力密度に対応する。
また、PUE 1.19を実現する高効率設計により、最新AIアプリケーションに必要な集約型の高性能環境を提供する。モジュール型構成を採用しており、運用開始後も柔軟な増設とスケールアップに対応する。
さらに、同プロジェクトではプレファブリケーションを活用した電気・空調・配管(MEP)施工方式を導入し、日本市場で深刻化するMEP専門人材不足への対応と、工期短縮・品質安定化を同時に実現する。これにより、日本におけるデータセンター建設の新たなモデルケースとなることが期待されるとしている。
SCゼウス共同創業者兼CEOのジョー・グーイ氏は、「空冷から液冷へ、そしてラック当たり8.5kWから100kW超への高密度化が進む中、データセンターには低PUEだけでなく、最新技術に柔軟に対応できる設計が求められています。Zeus OSA1 は Direct-to-Chip を含む幅広い要件に応える柔軟性を備えており、これは企画・設計・開発・運営を一貫して手掛ける当社のビジネスモデルと、IPパテントに基づく設備設計ノウハウの成果です。また、日本市場におけるMEP施工人材不足に対して、当社のプレファブ施工技術は有効な解決策となり得ると考えています」と述べている。
